民泊で地域活性化 池間、伊良部受け入れ増


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抱き合って再会を約束する高校生と民泊受け入れ民家ら=12月19日、宮古島市の池間島

 【宮古島】宮古島市の池間島や伊良部島が、修学旅行の民泊事業受け入れで活性化している。

12年度から宮古島観光協会が池間島や伊良部、同市平良の狩俣や西原で民泊受け入れを開始したため、2012年度は同市全体で58校1万4960人と、11年度の43校1万1612人から大幅に増加している。
 宮古島市では、04年から「ぐすくべグリーンツーリズムさるかの会」が、同市城辺や上野、下地、同市平良島尻で民泊を受け入れている。受け入れ農家は70軒以上という。観光協会は、11年に関西圏の高校を中心に営業活動して新規開拓し、さるかの会と競合せずに受け入れ数を拡大したという。
 観光協会民泊は、各地に窓口となる団体があり連絡会議を開いている。同協会で民泊受け入れを担当する廣田啓さんは「息の長い民泊にするため、安全面と衛生面の管理を徹底している。また、体験内容などの情報交換もできている」と話す。
 観光協会の民泊では12年度だけでも総額約4500万円が受け入れ民家に入っている計算となる。しかし、経済効果以上に地域の活性化に果たす役割は大きい。狩俣地区で受け入れている狩俣定弘さん(62)は「民泊の生徒が来ると家の雰囲気が明るくなる。夫婦仲も良くなるよ」と笑う。池間島の佐久本美代子さん(54)も「毎回、帰る時には寂しくなる。受け入れをずっと続けたい」と話した。
 一般的な旅行に比べ、地域住民と濃い交流ができる民泊は生徒たちにも好評だ。12月に池間島と狩俣に民泊した大阪府立長尾高校の生徒は、離村式で受け入れ民家と抱き合い、再会を約束した。笹山陽菜さん(17)は「最高に楽しかった。絶対にまた来る」と涙ぐみ、赤田舞華さん(同)も「優しくしてくれて楽しかった。帰りたくない」と話した。梶原一憲校長は「子どもたちの表情が明るくなった。大きな意味があったと思う。先生も一緒に泊まって、帰ってからも体験を共有できればさらに良いと思う」と話した。