ブラックバス、安里川で相次ぎ確認 特定外来生物


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安里川で釣り上げられたブラックバス

 侵略的外来種ワースト100に入り、「特定外来生物」として生体の移動が禁じられているブラックバス(北米原産)が27日までに那覇市の安里川で相次いで確認された。環境の専門家などは、在来種を捕食し、生態系をかく乱する危険性があるとして、放流をしないよう注意を呼び掛けている。

 ブラックバスは、22日から26日にかけて那覇市のさいおんスクエア前の安里川で、25センチから40センチ超のものまで4匹が釣り上げられた。
 この場所は、満潮時には海水が入る汽水域となり、ロウニンアジ(ガーラ)やミナミクロダイ(チン)、ボラのほか、クロホシマンジュウダイやユゴイ、テナガエビなど多様な在来種が確認されている。安里川はごみの不法投棄や悪臭の問題があったが、工場など周辺の汚濁源が下水道に移行したことなどで、近年水質が改善され、生物が戻ってきている。
 ブラックバスは、県内では倉敷ダム(うるま市)や漢那ダム(宜野座村)でも確認されている。全国的に釣魚として人気があり、各地で意図的に放流された可能性も指摘されている。
 沖縄自然環境ファンクラブの賀数弘さんは「安里川は川幅が狭く、魚が隠れる場所も少ないことから、ブラックバスは在来種にとって大きなダメージになる。安易な気持ちで放すと生態系が壊れてしまう」と注意を呼び掛けている。