車いすでサンバ披露 肢体不自由の4人 来月、パレード参加


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ダンスインストラクターの長田仁さん(左)から振り付けを習う参加者たち=13日、沖縄市の沖縄中部療育医療センター

 車いすでパレードに参加―。10月11日に那覇大綱挽まつりの一環で那覇市の国際通りで開催される市民演芸・民俗伝統芸能パレードでサンバを披露する「グルーポ・ジ・アンダギーニャ」。今年はその一員として4人の肢体不自由の障がいがある“ダンサー”が初めて出場する。

沖縄市の沖縄中部療育医療センターで13日、サンバチームを率いる「宮城姉妹」と振り付けを担当したダンスインストラクター・長田仁さんが4人に振り付けを指導した。4人ともサンバを踊るのは初めて。「みんなに見てもらいたい」と、笑顔で体を動かした。
 今回パレードに参加する4人は県肢体不自由児者父母の会連合会のメンバーの子どもたち。昨年沖縄で開催された同連合会の全国大会の前夜祭に宮城姉妹が出演したことがきっかけで交流が始まった。宮城姉妹がパレード参加を打診し同連合会が参加者を募ったところ、宮城翔さん(30)=宜野湾市、下門うみさん(19)=うるま市、比嘉紗苗さん(26)=宜野湾市、平良未来さん(10)=沖縄市=の4人が手を挙げた。
 練習には車いすを押す理学療法士らも参加。隊列全体の流れやどこまで体を動かせるかを確認しながら、練習した。「お客さんと笑顔のキャッチボールをしよう。そしたらちゃんと伝わるから」。長田さんの言葉に、最初は緊張していた4人も笑顔に。両手を挙げたり体を揺らしたりとサンバの楽しさを実感していた。
 「踊ることが大好き」という比嘉さんは「ずっとサンバを踊ってみたかった。夢がかなった」と汗を拭い、下門さんは「とにかく成功させたい。本番が楽しみ」と笑顔を浮かべた。
 車いすのメンバーへの振り付けは初めてという長田さんは「その人に合わせて臨機応変に振り付けた。体の動きはハンディではない。心をオープンに笑顔で踊ることが大事」と強調。チームリーダーの宮城佳代子さん(35)は「車いすの方にダンスを教えるのは初めてだが、とても反応がいい。本番はもっと楽しめそう」と期待を込めた。
(熊谷樹)