辺野古作業続行 知事停止指示「黙殺」に渦巻く怒り


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大浦湾海上で続く海上作業を通称「第3ゲート」から確認し、抗議する市民ら=24日、名護市辺野古の同ゲート

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐり政府は24日、翁長雄志知事の海上作業停止指示に対し「指示は違法性が重大かつ明白で無効だ」(菅義偉官房長官)として、指示の効力を停止する法手続きを取った。間髪入れずに対抗措置を取る政府に、県民集会の登壇者やゲート前で抗議を続ける市民らは「法治国家なら指示に従うべきだ」などと一斉に反発した。法律の専門家からは政府の対抗措置に疑問の声も上がる。作業を継続する政府に「絶対に屈しない」と新基地阻止への決意を新たにした。

 翁長知事の作業停止指示に対抗措置を取った政府の対応に、21日に名護市瀬嵩の浜で開かれた県民集会の登壇者からは「あまりにも強引」などと怒りの声が上がった。
 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「大上段から法的手続きで切り込んでくる姿勢は、あまりにも強引だ」と批判する。停止指示は前県政時の岩礁破砕許可の条件を根拠にしていることから、「国自ら前県政との協議を無効と言っているようなものだ」と疑問を呈した。
 臨時制限区域に沿って投下された巨大コンクリートブロックによるサンゴ破壊の現場を撮影した、同協議会ダイビングチームレインボーの牧志治代表は「法治国家なら県の指示に従い、臨時制限区域内の調査を実現させるべきだ」と指摘した。国が強硬手段を取り続ければ「これまで以上の規模で運動を展開するしかない」と語気を強めた。
 島ぐるみ会議の共同代表を務める金秀グループの呉屋守将会長は、これまでの県に対する政府の対応を踏まえ、作業継続は「想定内だ」と受け止める。その上で「政府は法廷闘争に持ち込む考えなのだろうが、圧倒的民意を前に何ができるのか。結局は民意が勝つ」と一蹴した。