芸能・文化

琉球音階の尺八製作 三線との共演期待

琉球音階で演奏できる「うちなー尺八」を考案・製作した尺八奏者の三橋貴風さん=30日、那覇市天久の琉球新報社

 国内外で活躍している尺八奏者・三橋貴風(きふう)さん(神奈川県)がこのほど、琉球音階で演奏できる尺八「うちなー尺八」を考案・製作した。三橋さんは「沖縄の南から吹く風のような柔らかな音色が特徴。沖縄の人々にもぜひ演奏してほしい」と、新楽器が沖縄で普及する日を夢見ている。

 三橋さんはニューヨーク・カーネギーホールの100周年記念公演にソリストとして出演するなど、国内外で活動する尺八奏者。復帰10周年イベント参加で25年前に訪れて以来、沖縄とは地元ミュージシャンとともに作品を発表するなど深くかかわってきた。
 三橋さんによると、日本の尺八と同種の縦笛は中国はじめ東南アジア、トルコと広範な地域に伝わっているが、琉球諸島にだけ存在しないという。「尺八の材料となる和竹の生育南限が北九州ということもあるが、音階の違いが最大の理由ではないか」との結論に至った三橋さんは、琉球音階の尺八製作に着手。今年2月、東京公演で完成した尺八を初披露した。
 「従来の尺八の音色が武道のような雰囲気を持っているのに対し、琉球音階の尺八は滑らかで柔らかく、包み込むような音色」と話す三橋さん。「古典音楽の三線や箏、胡弓こきゅう)との演奏でも新たな演奏形態が可能」と強調し、これまで普及してこなかった沖縄で尺八が広まることを期待する。
 三橋さんは今回、本格的な竹製と普及版のプラスチック製の二種類を製作。穴の位置などを工夫し、普及版は初心者でもコツをつかめばすぐに演奏できるという。7月に沖縄での初演奏を計画している三橋さんは「沖縄の人々が尺八を吹くようになり、いつか東アジアの竹製縦笛の空白地域が埋まることが夢」と笑顔で語った。 (久場安志)
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 竹製は注文製作、普及版の価格は6千円。問い合わせは三橋さん045(541)5122。