<社説>緊急事態宣言延長 解除する判断基準明示を

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が5月31日まで延長された。感染拡大を防止するため、国民は外出を控え、事業者は休業期間の延長を検討せざるを得ない。厳しい生活が続くことになる。

 7都府県を対象にした緊急事態宣言が発出されたのは4月7日。16日には対象が全都道府県に拡大された。1日当たりの感染者数は一時期に比べると鈍化傾向が見られるようだが、依然、高止まりしたままだ。政府の専門家会議は対応は長丁場になるとの認識を示した。
 先行きが見えない不安を考えると、「状況が好転しないから延長する」だけでは済まされない。なぜ延長が必要なのか。これからも外出の自粛や休業などの行動の制限を求める以上は、延長を判断した根拠を、科学的なデータを示して説明すべきだ。
 4日の安倍晋三首相の会見でも具体的な説明はなかった。前時代的に「おかみの決めたことには従え」では国民の理解は得られない。
 首相は会見で、可能だと判断した場合、期限を待たずに宣言を解除する可能性にも触れた。しかし、どのような状況をもって宣言の終わりとするのかは明確に示さなかった。政府は、国民の不安を和らげるため早い時期に宣言解除の判断基準を示すべきだ。
 医療体制の崩壊は避けなければいけないが、政府の対策は不十分であり、医療現場では不安の声が絶えない。
 この間のコロナ禍に対する政府の対応を見ると、場当たり的と言わざるを得ない。ウイルスに感染した患者に対する方針も二転三転した。当初は全員を入院させていたが、4月には軽症や無症状の感染者は宿泊施設や自宅で療養させる方針に変えた。
 その後、自宅療養中の感染者が死亡するケースが発生したため、原則宿泊施設での療養へと再び軌道修正した。
 症状が出てからPCR検査を受けるまでに時間がかかるため、自宅で待機させられている間に重症化することが少なくない。もっと早く入院して症状に応じた治療を受けていれば、悪化しないで済んだケースがあるのではないか。こうした状況は一刻も早く是正してもらいたい。
 医師が必要と認めればただちにPCR検査を受けられる体制をつくることが急務だ。他国でできることがなぜ日本ではできないのか。前例のない状況に即応できない官僚組織のせいなのか、政治家の指導力に問題があるのか、両方なのか。
 今や日本のコロナによる死者は韓国の2倍だ。他国の取り組みについても情報を収集して、いい点は取り入れる姿勢が必要だろう。
 政府に求められるのは、これまで取ってきたコロナ対策を一から検証することだ。その上で、反省すべき点があれば、国民の前に明らかにし、直ちに改めてもらいたい。



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