<社説>県が休業要請解除へ 再流行への備えも必要だ

 映画館や展示施設など7業態の休業要請が14日から前倒しで部分解除される。外出自粛に休業要請と、例年にない我慢をして私たちは大型連休も乗り切った。しかしワクチンや治療薬もなく、抗するすべが見つからないウイルスに変わりはない。再流行の恐れも念頭に最大限の監視と備えを続けたい。

 今回の解除発表は、県の専門家会議が作成した「活動再開のロードマップ」に加え、PCR検査陽性率など、新たな独自の指標を加味した判断だという。
 キャバレーやナイトクラブなど接待等を伴う遊興施設は除かれた。
 出口戦略、目標ともいえるロードマップは、現在の活動自粛期から段階的な活動再開ができる目安として策定された。基準は(1)新規患者数が1週間で人口10万人当たり1人未満(2)入院患者数が10万人当たり1人未満(3)感染経路不明の患者が少なくとも7日間確認されない―の三つを挙げている。
 全面的に活動を再開するには新規患者数と入院患者数の動向に加え、感染経路が不明な患者が少なくとも14日間確認されないことが条件だった。
 今回は入院患者数の条件だけは満たされていないが、なぜ解除の判断に至ったのか。判然としないところもあり、根拠を示した説明が必要だ。
 住民の不安に向き合うためには解除の条件を提示するなど、出口への道筋を示すことが大切だ。しかし、この日の県の発表では解除の指標が新たに4項目付け加えられた。重症化率や重症化病床使用率などが追加されたのはなぜか。かえって県民を戸惑わせるのではないか。ふに落ちない。
 経済活動の自由を制約され続けるのは「もはや限界」との声が県民から出ている。
 県幹部の中にはロードマップを厳密に守ると、国、県の緊急事態宣言が終わる5月31日以降も経済活動を再開するめどが立たなくなってしまう―との懸念が強かったようだ。
 経済活動が早期に再開できるかどうかは、多くの県民にとって死活問題とも言えよう。外出の自粛を続ける中、暮らしの中で疲労をためる人もいる。石垣市や竹富町などではやっと学校が始まったばかりだ。
 それだけに出口戦略でつまずいてはいけない。分かりやすい説明と、根拠の提示が必要だ。未知のウイルスに向き合う今、リスクも含めた率直な語り掛けこそが求められている。
 12日には感染者の死者が1人増えて6人になった。14日の部分解除を控え、県民にとっては最も神経をとがらせる局面でもある。
 部分解除後に流行が再燃する恐れも否定できない。その際の再要請の基準や対策は講じられているのか。コロナ禍の前後で、県民は生活様式も一変させている。不安を和らげ、納得できる説明を県は尽くすべきだ。



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