<社説>県の警戒引き上げ 実効性あるコロナ対策を

 沖縄で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。県は新型コロナに関して定める4段階の警戒レベルを、第1段階の「発生早期」から第2段階の「流行警戒期」に引き上げた。

 県は実効性のある対策を躊躇(ちゅうちょ)なく進めるべきである。大規模なクラスター(感染者集団)が発生している米軍基地からの感染を封じ込めると同時に、本土からの移動に伴うウイルスの侵入を徹底的に抑え込むことが肝要だ。その上で市中感染の芽を摘む地道な作業が必要となろう。
 玉城知事は今後の具体策について専門家の意見を踏まえて決定する構えだ。さまざまな取り組みを果敢に実行しなければならない。
 警戒レベルの判断指標から現状を見ると、新型コロナが今後流行しかねない局面に差し掛かっていることがうかがえる。重視すべき指標である直近1週間の新規感染者数は、既に第2段階の目安である37人以下を上回り、第3段階「感染流行期」に及ぶ数値だ。緊急事態宣言の再発令も視野に入ることになる。
 第2段階の流行警戒期の対策実施例として「接待・接触を伴う飲食店などへの外出自粛要請」「感染地域への(からの)渡航自粛要請」「クラスター発生業種や接待・接触を伴う業種などへの休業要請検討」などを定めている。これらの実施に関して県は、感染状況などに応じて地域ごとに検討していく姿勢を示している。
 県民の命と健康を守りながら、コロナ禍で危機的状況にある経済を立て直し、雇用や生活を保障していく難しいかじ取りが求められる。行動を一律に規制するより、個々の実情に応じた具体策を複合的に進めるほかないだろう。
 県内の米軍基地で7月に入り感染者が相次ぎ、県内関係者の合計を上回って急増している。クラスターの要因については、一部の軍関係者が行動制限や指示に従わなかったことを指摘する声もある。基地由来とみられる県民の感染も発生し、基地従業員や周辺住民を不安に陥れている。
 米軍は関連情報を全面的に開示し、日本側の防疫措置に従うべきだ。日米地位協定を盾にした特権的な振る舞いはもはや許されない。
 本土との往来に伴う空港などでの水際対策もより重要度が増している。政府が22日に観光支援事業「Go To トラベル」を開始し、4連休中は多くの観光客が沖縄を訪れたが、那覇空港では37・5度以上の発熱を検知されながら問診協力に応じず立ち去った人もいたという。沖縄の玄関口での検査体制の在り方を再構築すべきだろう。
 気掛かりなのは県内で市中の感染が広がる気配を見せていることだ。27日は県内で1日当たり最多となる18人の新規感染が発表された。行政と医療やその他の関係者がさらに連携を強め、感染拡大を早めに抑え込みたい。医療体制の早急な再点検も必要だ。



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