<社説>再び緊急事態宣言 2週間の行動が重要だ

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。玉城デニー知事は31日、4月に続き県独自の「緊急事態宣言」を発令した。

 県外からの来県を慎重に判断するよう求め、県民にも不要不急の外出自粛を要請した。期間は8月1日から15日。これからの15日間が重要だ。感染を収束させるため、一人一人が感染リスクを減らす取り組みが求められる。
 県内の感染者は5日連続で過去最多を更新し、感染者数は400人に迫る勢いだ。
 玉城知事は31日の記者会見で、県が定める4段階の警戒レベルを、上から2番目の「感染流行期」に引き上げた。緊急事態宣言は、那覇市内の飲食店の営業時間を午前5時から午後10時までとするよう求めたほか、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島への移動も必要最小限とするよう求めている。
 前回の緊急事態宣言と比べ営業時間の短縮を那覇市内に限定し、県外の旅行者に渡航自粛ではなく、慎重な判断を求めている。8月は沖縄観光のトップシーズンであり、県経済への影響を配慮したのだろう。
 しかし、営業時間短縮の協力金など県の財源には限りがある。国の支援制度の拡充や、政府の観光支援事業費約1・7兆円の使い道の見直しが必要ではないか。予算の一部を自治体や事業者の直接支援に振り向け、自治体の裁量を増やすべきだ。そうすれば、有効な経済対策になるだろう。
 沖縄の感染リスクには二つの外部要因がある。県外からの移動と米軍である。
 県外からの移動を加速させ、感染リスクを高めたのは、観光支援事業「Go To トラベル」ではないか。
 感染再拡大地域から感染者の流入を懸念する声が全国の自治体首長から相次いだが、政府は「地方には早く進めてほしいとの切実な声がある」として、8月開始予定を前倒ししてまで実施にこだわってきた。
 新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、GoToの開始に先立ち、感染状況を分析するため判断に時間をかけるよう政府に提言していたが、政府が受け入れなかったという。
 政府の責任は重い。安倍晋三首相は説明責任を果たさなければならない。
 東京都医師会の尾崎治夫会長は「今のコロナ対策については、正直言って不満がないとは言えない」と不信感を隠さない。尾崎会長は、法的拘束力を伴う休業要請と補償を可能とする法改正の必要性を訴えている。専門家の意見に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 一方、米軍基地内の大規模なクラスター(感染者集団)発生もリスク要因だ。米軍関係の感染者数は31日までに248人。米軍関係の感染者と接触したタクシー運転手の感染が見つかった。米兵との接触が感染拡大につながった可能性がある。米軍には感染を収束させる責任がある。



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