<社説>飲食店時短要請拡大 全県措置を検討すべきだ

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、県は5市に出している営業時間短縮要請を新たに宮古島市、石垣市を加えて31日まで延長する。計7市の飲食店や遊興施設で、営業を午前5時~午後10時までとする県の要請に応じた事業者に協力金80万円を支給する。しかし、今回の措置で感染を抑えきれるか疑問が残る。

 7市に対象を広げた背景には、飲食店でクラスター(集団感染)が発生し、家族に感染を広げている状況がある。そうであれば地域限定の措置では感染を抑えきれない。対象外の近隣市町村に客が流れて感染を広げる恐れがある。
 感染者数の急増や県の時短要請、1都3県に出された緊急事態宣言などの行政措置で全県的に夜の街の客足は減っている。7市以外の飲食店で自主的に時短営業をしている店もある。対象外の市町村の店には協力金が出ず、経営を一層圧迫する。
 感染者増に歯止めをかけつつ、経営難に苦しむ事業者を支えるためにも全域一斉の措置を取る時期に来ているのではないか。県は全県での措置を検討するとともに、他都道府県も一緒になって国の予算措置を要求していくべきだ。
 県内のコロナ感染症の警戒レベルは、入院中などの療養者が510人、新規感染者が1週間で406人と7項目中、2項目で第4段階の「感染蔓延(まんえん)期」となり、病床の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。8日には新たに80人を超す感染者が確認された。年末年始で会食の機会が増えたことが影響している。帰省する人からの移入例も見られるという。
 県が当初、時短を要請した5市の対象事業者数は全5878で、11日までの協力金として約35億円が予算化された。対象を7市に拡大し、31日までに延長したことで追加の予算規模は約55億円に上る見込みだ。全県に拡大すればさらに負担は増す。
 国が財政支援をし、都道府県の措置を後押ししなければならない。感染は1都3県だけで広がっているのではない。関西3府県は緊急事態宣言の再発令を国に求めた。沖縄も全国の都道府県と共に国の財政支援を求めるべきだ。
 ただし、営業時間短縮に従わないからといって、店名公表は慎重にすべきだ。政府は1都3県に出した緊急事態宣言に伴う政令改正で営業時間短縮に従わない店名を公表するという。
 本来は利用者への周知が目的だが、4月の緊急事態宣言の際は、休業しないパチンコ店を名指しする通報が自治体に相次ぎ、店名公表と相まって激しいバッシングが起きた。協力を仰ぐ姿勢を取るべきで、飲食店への圧力にしてはならない。
 私たちも感染拡大を防ぐ努力が必要だ。きょう10日は県内各地で成人式の開催がピークだが、県や自治体は式典前後の宴会を控えるよう求めている。今年は我慢をし、命を守る行動をしてほしい。



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