<社説>空自基地からPFOS 会見し説明責任果たせ

 航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出した事故について那覇基地は7日、有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)が検出されたと発表した。国の基準値の128倍に上る高濃度だ。

 空自は「PFOSは含まれていない」という当初の説明を訂正し謝罪した。しかし、発表したのは那覇基地のウェブサイトである。不誠実な対応ではないか。記者会見して直接謝罪するとともに、一連の対応や事故原因、再発防止策を示すなど説明責任を果たすべきだ。
 国が定める暫定指針値は、PFOSとPFOAの合計で水1リットル当たり50ナノグラム。事故当日、那覇基地内の水路から回収した汚染水から、PFOSとPFOAが合計1リットル当たり6390ナノグラム検出された。
 基地の水路から後日採水した那覇市の調査でも、PFOSとPFOAが計1リットル当たり360ナノグラム検出され、国の基準の7倍を超えた。
 不可解なのは空自の発表のやり方だ。7日付で同基地のウェブサイトに「お知らせ」として発表した。一体、だれに対する「お知らせ」なのか。
 検査結果に対する基地司令意見の表現にも違和感を覚える。例えば「一定のPFOSが含有されていた」としている。「一定」どころか基準値の128倍、ただならぬ数値が検出されているのだ。
 PFOSが検出されたことについて「配管が破損することがなければ発泡試験後に全量が回収され、産業廃棄物として適切に廃棄されるものでした」と釈明している。
 全量回収するはずだったかもしれないが、実際に配管は破損した。問題は空自の危機管理だ。破損した時点でPFOS拡散の可能性を疑い、情報を公表すべきだった。最悪を想定してなぜ県民や市民に接触や吸引の回避を呼び掛けなかったのか。空自は疑問に答える責任がある。
 専門家は、高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについて、別の可能性を指摘している。今回の事故前からPFOSなどが日常的に基地内の土壌に蓄積し、それが染み出て水路に流れたのではないかというのだ。空自は基地内の土壌調査を実施する必要がある。泡消火剤を使用している全国の自衛隊も同様だ。
 PFOSなどは自然環境中でほとんど分解されない。人や動物の体内に長く残留する。発がん性のほか、出生時の体重に影響が生じる。現在、PFOSを含む泡消火剤を非PFOS品へ切り替える作業が全国で進められている。今回の事故はその切り替え作業中に起きた。
 PFOSの流出事故は、全国どこでも起こる可能性がある。このためPFOSを含む泡消火剤の交換の仕方や、有害物質が流出・飛散した際の対応などの情報を自衛隊が公開し、全国で共有することは喫緊の課題である。



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