<社説>コロナ「第5波突入」 感染抑止へ正念場だ

 玉城デニー知事は20日、154人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表し「第5波に突入したというほかない」と危機感を示した。

 感染力の強いデルタ株への置き換えが急速に進んでいる。夏休みが始まり県境を越えた移動、特に沖縄への流入増が懸念される。水際対策と行動自粛の徹底、ワクチン接種などで感染拡大を抑え込まなければならない。まさに正念場を迎えている。
 沖縄県の新規感染者は前日比で119人増え、前週火曜日の65人と比較しても2倍超となった。新規感染者が100人を超えるのは6月16日以来。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は32・22で全国2位。移入例が多く見られ、県外からの来訪者との接触による感染例や県民が県外に行って感染した事例などが見られる。緊急事態宣言の早期解除は遠のいた。
 ワクチン接種が進む高齢者の感染割合の低下がうかがえるものの、50代以下が増加している。30代が37人と最も多く、40代は34人、20代は32人、50代は12人だった。
 要因とみられるのは、感染力の強さに加えて重症化の恐れが強いとされるデルタ株への置き換わりだ。前週比10・8ポイント増の13・8%になった。病床使用率は49・3%と上昇し医療の逼迫(ひっぱく)が懸念される。
 政府が公表したワクチンの都道府県別の供給量に対する接種回数の割合(18日現在)によると、沖縄県は51・12%。東京、大阪に次いで3番目に低かった。接種を増やす必要がある。
 旅行大手のJTBは、夏休み(7月20日~8月31日)の旅行動向について、国内旅行人数は前年比5・3%増の4千万人になりそうだと発表した。ゴールデンウイーク中の県外からの人流増が感染拡大に拍車をかけたが、その事態を繰り返してはならない。
 水際対策として政府は、20日から北海道と沖縄県に向かう航空機の搭乗者にPCR検査や抗原検査を実施している。ただし対象は羽田、成田、大阪(伊丹)、関西、福岡空港からの搭乗者に限られる。しかも実施は希望者だけだ。水際対策として不十分であり、沖縄へ向かう全ての空港で、全ての搭乗者に実施すべきだ。
 観光最盛期の夏休み時期に緊急事態宣言が解除できないため、県経済に深刻な打撃を与えている。沖縄経済をリードしてきた観光産業は、2年連続で稼ぎ時の夏場を失うことに危機感が募っている。沖縄労働局によると、昨年2月から今年6月24日までのコロナ解雇は2184人に上っている。うち観光関連産業が半数超を占める。手厚い支援が必要だ。
 一方、夏休みを迎える児童生徒は、外出自粛が長期化し、外部との交流の機会が減る。子どもたちの居場所の確保、困窮世帯への食料支援も喫緊の課題だ。子どもの受け皿となる学童などの施設で感染防止策を徹底してほしい。



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