<社説>東京五輪で県勢活躍 県民に勇気と誇り与えた

 23日開幕の東京五輪で県関係選手の活躍が目覚ましい。

 開会式翌日に始まった柔道で、両親が南風原町出身の渡名喜風南選手が大健闘し見事、銀メダルを獲得した。五輪初出場だったが、堂々と胸を張れる結果だ。日本選手団の今大会初メダルでもあり、幸先の良いスタートを印象付けた。夏冬合わせて五輪通算500個目の記念すべきメダルでもあった。
 重量挙げ男子61キロ級では、南城市知念の久高島出身の糸数陽一選手がメダルには届かなかったが、前回リオ五輪から2大会連続の4位入賞を果たした。自転車男子個人レースでは石垣市出身の新城幸也選手が35位だったが、五輪三大会連続で完走した。
こうした活躍は県民に感動や勇気を与え、誇りとなる。素晴らしい成績をたたえたい。
 渡名喜選手が出場した女子柔道48キロ級は、かつて谷亮子選手が金2個を含む五輪5大会連続でメダル獲得した日本女子の看板階級だった。146センチの小柄な谷選手と同様、渡名喜選手は148センチの小さな体をフル稼働し、得意な足技を中心とした攻めの柔道を繰り広げた。
 2回戦でハンガリーの選手を合わせ技で下し、準々決勝ではリオ五輪女王のアルゼンチン選手に腕ひしぎ十字固めで一本勝ちした。準決勝では、2018、19年世界選手権女王のウクライナ選手を延長戦の末、横四方固めで破った。しかし決勝では、世界ランキング1位のコソボ選手に残り19秒で技ありを奪われ、惜敗を喫した。
 17年に世界選手権初出場で制覇して後は、国際大会で優勝に届かないことが増え、翌年に世界一の座を失った渡名喜選手。苦悩の時期にモンゴルへ単身武者修行を敢行するなど自ら活路を見いだして挑んだ今回の五輪だった。
 しかし「最近はずっと決勝で勝てていなかったので怖さがあった」と自ら悔しがったように、あと一歩及ばなかった。ぜひ課題を克服し、再度奮起してほしい。県民の多くが期待している。
 一方、重量挙げで4位に入賞した糸数選手はリオ五輪時に出場した62キロ級から1キロ階級を下げての出場だった。リオ五輪で挙げて目標としていたトータル302キロには及ばなかったが292キロを挙げ、自ら持つ力を一定程度発揮した。2大会連続の4位入賞は、重量挙げが強い沖縄の選手たちにとって、輝かしい目標を築いた。
 自転車の新城選手が挑んだレは、登った高さの合計を示す「獲得標高」が4865メートルという過酷なレースだ。棄権選手が続出する中での完走に拍手を送りたい。
 東京五輪には今後、今大会初採用の空手男子形の喜友名諒選手をはじめ、陸上男子走り幅跳びの津波響樹選手、カヌーの當銘孝仁選手ら県勢が多く登場する。その選手たちも渡名喜、糸数両選手に続く活躍を見せてほしい。



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