<社説>日米2プラス2 沖縄の自由使用認めない

 日米両政府は外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、米軍と自衛隊の一体化を加速させる姿勢を鮮明にした。南西諸島における施設の共同使用を拡大し、共同演習・訓練を増加させることを確認。空港・港湾を柔軟に使用することにも言及している。

 県内の民間インフラを平時から日米で軍事利用し、実戦的な演習を各島で展開していくことが予想される。米軍基地の過重負担に自衛隊の配備強化が加われば、沖縄の住民の負担は増大し、多くの危険に巻き込まれる。
 日米の軍事一体化と連動する沖縄全体の自由使用を認めるわけにはいかない。
 2プラス2から見て取れるのは、中国との覇権争いの片棒を日本が担ぎ、米国の要求に従って軍備と借金を膨張させる構図だ。発表された共同文書は、日本側が「防衛予算の相当な増額を通じて、反撃能力(敵基地攻撃能力)を含めた防衛力を抜本的に強化するという決意」を表明し、米側は日本の新たな国家安全保障政策を強く支持した。
 安保3文書は国会の議論もなく内閣の閣議決定で決めた。増税や国債発行を伴う防衛費の大幅増額にも国民の反発は大きい。23日召集の通常国会で最大の議論となるはずだ。そのような国民の同意を得ていない政策を国会よりも前に外国に約束することは、主権者に対する背信行為だ。
 2プラス2では、離島での戦闘に特化した「海兵沿岸連隊」を在沖米海兵隊に創設することや、自衛隊による嘉手納弾薬庫地区の共同使用の追加なども確認された。
 弾薬庫の共同使用は、長期戦に備えて南西諸島の各地に弾薬を分散・保管する一環だろう。沖縄市には陸上自衛隊の新たな補給拠点が整備され、弾薬や燃料などを備蓄する。与那国駐屯地を拡張してミサイル部隊を配置し、火薬庫を建設する計画もある。
 島嶼(とうしょ)県の沖縄は保安距離をとる広大な土地はない。沖縄全体が火薬庫となれば、住民地域は危険物と隣り合わせになってしまう。
 民間インフラの軍事使用を巡っては、自民党国防議員連盟が11日に宮古島市を視察し、佐藤正久参院議員は下地島空港を「県管理ではなく国管理にしたら」などと主張した。施設ごと国の管理にし、地元の反対を無力化しようとする強権的な発想だ。
 1971年に屋良朝苗琉球政府行政主席と日本政府が交わした「屋良覚書」で、下地島空港の軍事利用が否定されている。79年に県と国の間で交わされた「西銘確認書」も屋良覚書の趣旨を再確認している。平和利用を続けてきた歴代県政の取り組みを反故(ほご)にすることは許されない。
 抑止力一辺倒は軍事的な緊張を高め、かえって地域の安全保障環境を不安定にする。日本は外交の主導権を発揮し、中国との関係を安定させる役割を担うべきだ。




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