<社説>南北閣僚級会談中止 非核化実現へ対話継続を

 北朝鮮は米韓両軍の共同訓練「マックス・サンダー」を非難し、16日開催予定だった南北閣僚級会談を中止すると表明した。

 その後談話を発表し、米国が一方的な核放棄を強要するなら、6月12日の米朝首脳会談に応じるか「再考慮せざるを得ない」と警告し、中止の可能性をちらつかせている。
 4月の南北首脳会談で非核化に向けた道筋は示さなかったが、完全な非核化実現という共通目標を確認した。朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「対決の歴史に終止符を打つ」と表明したはずだ。
 北朝鮮は非核化実現に向け対話を継続すべきだ。米中ロ韓日の関係各国は、朝鮮半島の非核化へ向けた動きを後退させてはならない。
 朝鮮中央4月の南北首脳会談で発表した「板門店宣言」で、軍事的緊張緩和へ努力することで合意したと指摘。米韓訓練は「宣言に対する露骨な挑戦であり、良い方向に発展する朝鮮半島情勢に逆行する故意の軍事挑発だ」と非難した。
 米軍は今年の米韓合同の野外機動訓練「フォールイーグル」に原子力空母の派遣を控えるなど、北朝鮮に対する過度な刺激を回避する動きを取っていた。
 マックス・サンダーは、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22やB52戦略爆撃機など約100機が参加する。核爆弾を搭載できるB52が朝鮮半島上空を飛行することに対し、北朝鮮は過去に強く反発してきた。
 米国防総省は「同盟国として定例で実施している訓練で、防衛目的だ」と主張した。しかし初の米朝首脳会談を前に、北朝鮮を挑発するような軍事訓練は、誤ったメッセージを与えかねない。
 韓国の聯合ニュースはB52の参加が見送られる方針だと報じている。北朝鮮の反発を受けた措置とみられる。最初からB52の参加を控えるべきだったのではないか。
 北朝鮮の動きも不可解だ。北朝鮮はマックス・サンダーを閣僚級会談中止の理由としているが、北朝鮮が閣僚級会談の開催を通知してきたのは15日で、既に共同訓練は11日から始まっていた。
 米朝首脳会談に向けた協議は水面下で本格化しているとみられる。トランプ米大統領は、北朝鮮が核放棄に向けた具体的行動を取るまで圧力を緩めない方針だ。
 今回の突然の閣僚級会談中止表明は、対米交渉を有利に進めようとする狙いがあるとの指摘もある。
 それを裏付けるように、北朝鮮が発表した談話は、非核化のためには米国が敵視政策や核による威嚇を終わらせることが「先決条件」だと強調している。
 2005年9月の6カ国協議共同声明で、北朝鮮は核の完全放棄を確約しながら合意をほごにして今に至る。今度こそ非核化を実現させなければならない。