<社説>嘉手納にオスプレイ 負担増を断固拒否する

 沖縄の負担は軽減されるどころか、増す一方だ。断じて容認できない。

 米空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが米軍嘉手納基地に初飛来した。
 米軍横田基地(東京都福生市など)に今夏、正式配備されるCV22は米軍普天間飛行場所属の海兵隊仕様MV22オスプレイ同様、日本全土を恒常的に飛行する。CV22は沖縄での夜間飛行と空対地射撃、離着陸の各訓練を実施することが分かっている。沖縄がさらに負担を強いられることは断固拒否する。
 横田基地を離陸した5機のCV22は米軍岩国基地(山口県)を経由し、嘉手納基地に向かった。途中、1機に機内システムの警告が出たため、2機が奄美空港(鹿児島県)に緊急着陸した。最終的に4機が嘉手納基地に飛来した。
 奄美空港には普天間所属のMV22が2017年6月に1機、ことし4月に2機が緊急着陸している。16年12月には名護市安部の海岸に、17年8月にはオーストラリア沖で普天間所属のMV22が墜落している。相次ぐ緊急着陸や墜落事故は、オスプレイがいかに危険な機体かを証明する。
 CV22の10万飛行時間当たりのクラスA事故率は4・05で、3・24のMV22を上回る。頼和太郎リムピース編集長は「CV22はMV22に比べて低空で飛行する。低空飛行は建物や丘陵地によって変化する風向きの影響を受けやすいため、機体にかかる負担が大きく、事故につながる危険性が高い」と指摘する。
 CV22の嘉手納基地飛来は周辺自治体に事前連絡がなかった。沖縄防衛局は「米側から運用上の理由から事前公表を控えるよう要請があった」ため、連絡しなかったとしている。これでは米軍の下請け機関でしかない。
 連絡しない理由が「米側から要請があったから」で、誰が納得できるだろうか。米軍の身勝手な要請を拒否せずに、聞き入れる防衛局はいったい誰の奉仕者なのか。
 嘉手納基地では、日米両政府が約束した「負担軽減」に逆行する米軍の運用強化が長年続いている。
 米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F35Aは17年、アジア太平洋地域で初めて嘉手納基地に飛来し、12機がことし5月までの約半年、暫定配備された。F35Aと入れ替わるように14機のステルス戦闘機F22が暫定配備された。さらに米軍は、移転した旧海軍駐機場の暫定使用を通告してきた。
 いずれも米軍は地元自治体や住民らの反対を無視して強行している。日本政府も米軍の言うがままとあっては、主権国家の体をなしていない。
 日本政府が沖縄返還交渉で、返還後も米軍が在沖基地を自由使用することを認めたことで、県民は基地被害に苦しんでいる。この状態に終止符を打ち、ドイツやイタリア並みに国内法を米軍に適用し、沖縄の負担軽減を図るのは日本政府の責務である。