<社説>F15墜落 全米軍機の飛行止めよ

 県民の生命・財産を脅かす重大事故がまたしても起きてしまった。米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が11日午前、那覇市の南約80キロの海上に墜落した。米軍機墜落は復帰後48件目だ。このままでは尊い県民の命が奪われかねない。同型機を含む全米軍機の即時飛行停止を強く求める。

 F15の墜落事故はこれまでに10件発生している。近年では2013年5月に嘉手納基地所属のF15が沖縄本島東方海上沖に墜落した。重大事故につながりかねない緊急着陸は頻繁に起きている。
 現時点で墜落の原因は明らかになっていない。欠陥機との指摘が根強いF15が連日、県民の頭上を飛び続けていること自体、異常だ。米軍は墜落原因を究明し、速やかに公表すべきだ。原因究明を待たずに訓練を再開するなど到底容認できない。
 墜落現場が洋上だからといって、今回の事故の重大性を軽視するようなことがあってはならない。沖縄周辺海域は漁場であり、漁民の生活の場だ。いつ戦闘機が落ちてくるか分からないという状況下では、漁民は安心して操業することができない。
 県民の根強い反対を押し切って普天間飛行場に強行配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが2016年12月、名護市安部に墜落した。県民が危惧していたことが現実となった。その後も、米軍機の不時着が相次いでいる。
 普天間第二小学校や緑ヶ丘保育園に普天間飛行場所属のヘリコプターの部品が落下し、市民を恐怖に陥れたことは記憶に新しい。政府は県民の危機感を直視し、強い姿勢で全面飛行停止と原因究明を米軍に申し入れるべきだ。
 今回のF15墜落を受け、小野寺五典防衛相は「今回の原因は何だったのか、速やかに情報提供を求めたい。分かり次第、関連自治体に報告したい」と述べた。沖縄防衛局は原因究明や再発防止を米側に申し入れている。
 このような対応では生ぬるいのだ。県民の不安を払拭(ふっしょく)することはできない。小野寺防衛相は直ちに全面飛行停止を米側に迫るべきだ。そうでなければ県民の生命・財産を守ることはできない。翁長雄志知事が厳しく批判するように、政府には「当事者能力」が欠落していると断じざるを得ない。
 米軍が大規模に駐留するイタリアやドイツでは、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保している。ドイツ駐留米軍はドイツ側への訓練計画の事前提出は義務で、イタリア駐留米軍はイタリア側と訓練内容を調整し、許可を得る仕組みだ。当事者能力を行使す
るのは主権国家として当然だ。
 1959年6月、米軍機が旧石川市の宮森小学校に墜落し、児童ら18人の命を奪った。61年12月には旧具志川村に米軍機が落ち、2人がなくなった。このような不幸を繰り返してはならない。大惨事が起きてからでは遅いのである。