<社説>政府の地震予測 危険は本土と変わらない

 政府の地震調査委員会が全国地震動予測地図2018年版を公表した。沖縄で強い揺れの地震が起こる確率は低くないことが改めて示された。リスクを認識して身の回り、地域、広域の防災対策を再点検すべきだ。

 予測地図は全国を網目状に細かく分けて、1月1日を基準日にして今後30年間に強い地震の揺れ(地震動)に襲われる確率を地点ごとに示している。それによると沖縄県の沿岸部の大半が、26%以上の確率で震度6弱の揺れに見舞われる。震度5強の確率となると沖縄のほぼ全域が26%以上になる。
 26%とは「約100年に1回程度起こる確率」と説明されている。大阪北部地震のような震度6弱の地震が、きょう沖縄を襲ってもおかしくないのである。
 県庁所在地の市役所をピンポイントで示して震度6弱の確率を比較する一覧表も作成されている。南海トラフ巨大地震が懸念される太平洋岸では70%以上の都市も少なくない。那覇市は20%で、8・3%の福岡市、18%の鹿児島市より高い。ただ、那覇市全体が20%なのではなく、埋め立て地が多い海岸部は揺れやすいため40%を超えている所がほとんどだ。予測地図は細かく見る必要がある。
 沖縄では大きな地震は起きない、大地震は人ごとと思っている人はいないだろうか。
 沖縄では近代以降、石垣が崩れるなどの被害が出た地震は10回以上発生している。1911年の奄美大島近海を震央とするマグニチュード8の地震では、那覇で石垣が496カ所崩壊し、死者1人、負傷者11人の被害が出た。1882年、1909年にも那覇で震度5相当の揺れがあり、2010年には糸満で震度5弱を観測した。チリ沖地震など遠方の大地震に伴う津波被害を何度も経験していることも忘れてはならない。
 地震動予測地図の詳細は国立研究開発法人・防災科学技術研究所のホームページで見ることができる。住所から発生確率を検索することも可能だ。また、沖縄県がホームページで公表している「津波浸水想定」も活用できる。自分の住んでいる地域のリスクを地震と津波の両面から知ることで、防災意識を高め対策強化につなげたい。
 大阪北部地震では、ブロック塀の危険性が改めて注目された。9歳の女児が小学校の下敷きになって亡くなるという痛ましい事故が起きたためだ。
 ブロック塀全てに直ちに対策を講じることは難しい。しかし、学校は最も安全でなければならない。行政当局は危機感を持って、学校やその周辺の対策を迅速に行う必要がある。その上で、強い揺れの確率が高い地域を優先して対策すべきであろう。
 個人宅においても、倒れやすい家具の固定、懐中電灯や非常用食料・水の備蓄などの対策を点検しておきたい。