<社説>使い捨てプラごみ 日本も危機感持ち対策を

 環境問題への日本の取り組みの弱さが鮮明になった。

 レジ袋や発泡スチロール製食器など使い捨てプラスチック製品を規制している国・地域が67に上ることが、国連環境計画(UNEP)の調査で分かった。
 日本は規制をしていない。プラスチックごみによる海洋汚染に悩まされている海洋国家として、問題解決に向けて、もっと率先して抜本的な対策に乗り出すべきだ。
 国連の推計によると、プラスチックごみの廃棄量は年3億㌧にも上る。海への流出は年800万~1200万㌧との試算もある。
 海洋汚染は地球規模で深刻さを増し、生物や生態系に悪影響を及ぼしている。人体への健康被害も懸念される。
 レジ袋やペットボトル、ストローなど使い捨てのプラスチック製品を使わないようにする「脱プラスチック」の流れは世界的に強まっている。
 6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)でも、プラスチックごみを削減する「海洋プラスチック憲章」が議題になった。しかし、日本と米国の2国は署名を拒否した。
 1人当たりのプラスチックごみ排出量が世界一多い米国と、2位の日本だ。地球規模での対策が必要なのに、危機感の乏しさが目立つ。
 政府は「規制は産業界や消費者への影響が大きく、日本はまだ準備が整っていない」と拒否の理由を説明するが、無責任極まりない。
 いち早く取り組んだアフリカのルワンダは、2008年からレジ袋の使用を禁止した。国際空港で観光客からも「押収」する徹底ぶりだという。先進国、発展途上国を問わず規制は広がっている。
 フランスは16年からレジ袋の使用を禁止し、20年以降は使い捨てプラスチック容器をやめる。英国は42年までに使い捨てプラスチックをなくす方針だ。
 G7で署名しなかった米国も、地方政府は熱心だ。規制を図り、生物素材への切り替えも進む。企業も紙製ストローなどへの転換に力を注ぐ。
 沖縄でもプラスチックごみの海洋汚染は深刻だ。中国や韓国など近隣諸国からの漂着物が多い。大きさ5㍉以下のマイクロプラスチックも各地の沿岸で確認されている。
 レジ袋の生産量は世界で年間5兆枚。そのうち日本は年300億枚を使っている。市民一人一人がマイバッグを持つなど生活様式を変えるのも大事な行動だ。
 だがそれ以前に、国としての方針を国民に示す必要がある。政府が明確な規制を打ち出せば、企業は代替品の開発に本腰を入れるだろう。環境中に残らない生分解性の製品など、新たなビジネスチャンスにもつながる。
 今国会ではマイクロプラスチック対策を盛り込んだ議員立法の改正法が成立した。政府は危機感を持って本気で取り組んでほしい。世界の潮流に背を向けてはならない。