<社説>自衛隊機トラブル 民間専用化するしかない

 またしても自衛隊機のトラブルによって那覇空港が一時、機能不全に陥った。航空自衛隊那覇基地所属・E2C早期警戒機のタイヤが着陸後にパンクしたため、17日午後5時38分から午後7時19分まで1時間41分にわたって滑走路が閉鎖されたのである。18日にかけて、民間機63便が欠航や出発地へのUターン、目的地の変更、遅延を余儀なくされ、少なくとも乗客9700人に影響が出た。

 根本原因は、乗降客が年間2千万人を超え、ただでさえ過密化している那覇空港を、民間機と自衛隊機が共用している点にある。軍民共用が続く限り同様のトラブルを完全になくすことはできない。人命にかかわる大事故が起きてからでは遅い。民間専用化を強く望む。
 国土交通省の資料によると、2012年度に7万3305回だった着陸回数が、16年度には8万3189回となり、4年間で1万回も増えた。
 離陸を含めた発着回数は16万6千回以上だ。羽田、成田、福岡、関西国際に次いで5番目に多い。那覇空港の滑走路処理容量とされる年間13万5千回を大きく上回っており、綱渡りの運用を強いられている。建設中の第2滑走路の利用が始まれば、少しは緩和されるが、抜本的な解決には程遠い。
 海外便をはじめ民間機の就航が増えたことに加え、自衛隊の機能が強化されていることが滑走路の過密化に拍車を掛けている。E2C早期警戒機は「空飛ぶ司令部」の機能を持ち、14年に配備された。この間、F15戦闘機も増強されている。民間専用化とは逆の方向に進んでいるのは遺憾に堪えない。
 これまでにも、自衛隊機のトラブルはたびたびあった。タイヤのパンクは05年、08年、10年、13年にも起きている。17年1月には、F15戦闘機のタイヤが脱落した。同年7月には戦闘機の前脚部分にある着陸灯のガラスが破損した。そのたびに滑走路が閉鎖されている。
 今年6月14日には2機のF15戦闘機が停止位置を越えて滑走路に進入し、降下中だった民間機の着陸許可が取り消された。事故につながりかねない「重大インシデント」として、国土交通省が運輸安全委員会の事故調査官を派遣したばかりだ。
 自衛隊の安全管理はどうなっているのか。原因を究明し再発防止策を徹底してもらいたい。それができないのなら、飛行を自粛すべきだ。
 離島県の沖縄は県外との行き来を専ら航空輸送に依存している。空の玄関口の安全が確保されているかどうかは県民にとって死活問題だ。
 こうもトラブルが度重なると、沖縄経済を支える観光産業へのダメージも甚大になる。予期せぬ空港での足止めや延泊は、楽しいはずの沖縄旅行を台無しにする。誰もが安心して快適に利用できる空港にしてほしい。



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