<社説>統一地方選開票 多様な声、政策に反映を

 2018年の県内統一地方選は10日、竹富町議選の開票も終え、25市町村議会の定数356議席が全て確定した。

 今回の統一地方選は、翁長雄志知事の死去により9月30日に前倒しされた知事選や、佐喜真淳前市長の出馬に伴う宜野湾市長選の前哨戦に位置付けられた。来月も14日に豊見城市長選、21日に那覇市長選と選挙がめじろ押しの中、決戦の火ぶたを切った形だ。
 県内最大の政治決戦・知事選を含む、4年に1度の大きな選挙が約1カ月半の間に集中しているだけではない。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題が最大の山場を迎えての統一地方選である。新基地建設の工事が進み、土砂投入を目前に控える中、県は8月31日、翁長知事の遺志を継ぎ、前知事の埋め立て承認を撤回した。県側が、いわば「最大のカード」を切り、政府との対立が際だった中での選挙である。有権者の1票は、これまで以上に、沖縄の未来を決める大きな岐路の選択といえる。
 琉球新報が統一地方選告示前に実施した候補者アンケートの回答から、当選者の基本姿勢をまとめたところ、2日開票の今帰仁、北谷、無投票の北大東を加えた当選者391人のうち、辺野古移設反対の人は約半数の187人(47・8%)に上った。移設賛成は98人(25・1%)だった。前回4年前は、当選者382人のうち反対208人(54・5%)、容認46人(12・0%)だった。
 前回と比べて容認が増えたとはいえ、移設反対の民意は依然強いといえよう。今回の結果が知事選など、その後の選挙にどう影響するか注目される。
 大きな岐路を選ぶ最初の決戦となった統一地方選だが、少数激戦となった割には投票率が伸び悩んだことは懸念される。9日開票された選挙の投票率は57・7%で、前回より3・6ポイント低下した。地域別に見ても、全体的に低下している。
 背景に政治不信や若者の政治離れがあるのではないか。生活に一番身近な地方議会だからこそ、住民の意見を聞き、開けた議会を目指すなど、政治参加の促進に向け、できることがたくさんある。
 女性議員が少ないことも影響しているとみられる。今回、女性は48人立候補し、うち38人が当選した。まだ全体の1割にすぎない。5月に「政治分野の男女共同参画推進法」が成立して初の統一地方選となった今回、女性の政治参画が県内でも進んでいない実態が浮き彫りになった。
 地方議会が住民の多様な声の受け皿として機能を十分に果たせるかが問われている。その役割を果たしてこそ、住民のニーズに応えることができる。
 大切なのはそれらの声を自治体の政策に反映することだ。当選した議員たちは単に行政運営のチェックにとどまらず、政策立案にも積極的に取り組んでほしい。その活力が地域発展の原動力となる。



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