<社説>おきなわ技能五輪 挑戦の継続こそが肝要

 若き技能者たちの祭典「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」が5日、閉幕した。多様な職種の技術やサービスの高さを競う全国大会で、県内で初めて開催された。

 10月27日の先行競技を皮切りに11月2日から4日間、全国各地から約1700人の選手が参加し、日頃培った技能を披露した。選手たちの技術やサービスに向き合う向上心や健闘する姿は多くの県民に希望と勇気を与えた。
 今回で56回を数える技能五輪は、青年技能者が日本一を競う技能競技大会として1963年に始まった由緒ある大会である。参加資格は原則23歳以下で、競技は42職種に及ぶ。技能水準の向上だけでなく、国民に技能の重要性や必要性をアピールすることが狙いだ。物づくり大国・日本の技術を支えてきたと言っても過言ではない。
 アビリンピックも1972年に始まり、38回目の歴史ある大会だ。障がいのある人々の技術向上と雇用促進が目的だ。22種目でハンディを感じさせない輝かしい技術を見せてくれた。
 「Challenges for the future」(未来のための挑戦)が今大会のスローガンだ。若者たちが「なぜ働くのか」と自問し、己に向き合う。たどり着いた答えの先に自らの可能性を信じ、失敗を恐れず挑戦し続ける者だけが未来を切り開く。そんな思いを込めたという。
 沖縄の若者にとって、働くことの意味を深く考え、仕事の技能を磨くことの素晴らしさや大切さを強く実感する機会になったに違いない。同時に、島しょ県ゆえに普段は交流しにくい県外の技能者たちから、仕事に向き合う姿勢や高度な技術、創意工夫などを学んだことだろう。
 県勢は技能五輪31競技に111人、アビリンピック19競技に29人が出場し、応援に来た地元の観客を大いに沸かせた。沖縄勢は、技能五輪で金賞と銀賞が各2人、銅賞4人、敢闘賞10人の計18人が受賞した。アビリンピックは金賞と銀賞が各2人、銅賞3人、努力賞2人の計9人が受賞した。受賞者はどちらも過去最多だ。健闘をたたえたい。
 玉城県政が翁長県政から引き継いだアジア経済戦略構想は、情報技術や物流網の発展によって、アジアとダイナミックに交流し、沖縄の強みを生かす政策だ。それを実現し発展させるためには、幅広い職種で高度な技術者の育成や観光サービスの向上が欠かせない。
 一方で、沖縄は求人と求職のミスマッチや若年者の高い離職率、人手不足などの課題もある。若者が技術向上に打ち込めるよう、魅力のある安定した職場環境づくりも重要といえる。
 今大会で学んだことは沖縄にとって大きな糧だ。この経験を生かすためにも、未来に向かって挑戦する気概と実践を継続することこそが肝要である。