<社説>無車検最悪の沖縄 うっかりで済まされない

 沖縄は公道を走る車検切れの車両が全国で最も多いことが国土交通省の調べで分かった。那覇市内では千台のうち5台近くが車検切れだったという。車検は車の安全を確保するために義務化されているものだ。ついうっかり、では済まされない。

 調査は2017年12月までに全国5地区で実施された。移動式の「ナンバー自動読み取り装置」で自動車のナンバーを読み取り、データベースと照合して車検切れ車両を特定した。
 那覇市と札幌市、広島市、松山市、福岡市の5都市で1週間、実施したところ、那覇市首里末吉町では捕捉した10万8570台のうち522台が車検切れで、割合は0・48%に上った。5都市の平均は0・27%だから、約1・8倍だ。車検切れのまま公道を走り、車体の不具合などで事故を起こしたら、と思うと背筋が寒くなる。
 また17年10~12月にかけて宜野湾市や札幌市など全国5都市で2時間だけ実施した調査でも宜野湾は0・31%で全国の0・18%を大きく上回り、全国最悪は変わらなかった。県内全域で車検切れ車両が走っていると思われる。
 車検は自家用乗用車(小型)の場合で2年に1回、新車時は3年後に所有者に義務付けられている。車検が義務化されていなければ整備不良車や故障車が見つけられず、交通事故につながる。さらに車検を受ける際には自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に加入する。車検切れということは自賠責保険も切れている可能性が高い。事故を起こせば、補償を受けられず、被害者、加害者双方にとって悲惨なことになる。
 無車検車の運行は道路運送車両法で禁じられており、刑事処罰の対象。無保険車の運行も自動車損害賠償保障法違反で同様だ。ドライバーはマイカーの車検が切れていないか、常に気を配る必要がある。
 沖縄は交通に関して全国ワーストという、不名誉な記録を多く持つ。中でも飲酒運転絡みの人身事故は17年はやや改善したものの、統計開始の1990年から2016年まで全国ワーストだった。運転に対する心構えが甘く、規範意識に乏しいのだとすれば恥ずかしいことだ。
 ただし、国交省の調査には問題もある。ナンバー自動読み取り装置による調査で車両の持ち主が特定される。車検切れ車両の捕捉には有効でも、車検済みの人にとっては知らないままに個人情報を収集されプライバシーを侵害されていることになる。
 国交省の担当課は、装置で読み取った情報はパソコンに保存され、1カ月程度で自動消去されると説明するが、収集した情報の適正管理と廃棄についてルールを定め、国民に公開すべきだ。
 車は時に人の命を奪う。全てのドライバーは危険性を自覚し、安全走行のためにできる限りの策を講じる必要がある。