<社説>琉球藍で初会合 継承に産学官の知恵を

 芭蕉布や宮古上布、琉球絣(かすり)など、沖縄の染め織りに欠かせない琉球藍が減り、原材料の確保や品質の維持が課題となっている。そんな中、県が音頭を取って藍葉の生産者や泥藍の製造者、染め織り作家など95人を集めた、初めての情報交換会が開かれた。

 会議では現状の報告や課題、行政への支援要請などさまざまな意見が出た。原料の生産、製造と藍の利用者が一堂に会して、琉球藍の継承、発展に向け話し合う意義は大きい。関係者が知恵を出し合って沖縄の伝統工芸を守り、支えてほしい。
 天然染料である琉球藍が足りなくなった理由は天候による収量激減と後継者不足である。藍の原料となる多年草「リュウキュウアイ」の収穫期は5~6月と10~11月の年2回だ。日陰を好み、日光や高温に弱いため、栽培場所は山あいの斜面が多く、育成には豊富な水が必要とされる。
 葉は水に漬けて発酵させるなどして「泥藍」と呼ばれる状態に精製し、織物産地に出荷される。
 しかし近年、台風の襲来で塩害などが発生し、生育を阻んだ。さらに農家の高齢化が追い打ちをかけている。
 原料となる琉球藍の県内生産量の9割以上を占める琉球藍製造所(本部町伊豆味)ではここ数年、県内需要の目安とされる4トンの3分の1ほどに生産量が落ち込んだ。
 2016年は生産量が約1・4トンまで減り、出荷調整を余儀なくされた。同製造所は需要が多かった1970~80年代は年間約7トンを出荷していたというから、減少は甚だしい。
 原材料難と後継者不足は琉球藍に限ったことではなく、沖縄の染め織り全般に言える。芭蕉布や宮古上布なども原料から糸を紡ぎ出すまでに多くの手間と時間がかかる。その技術の継承と人材育成は不可欠だ。
 初会合では今年も台風被害による減産の懸念が示された。また、「染まりづらい」など琉球藍の品質についての言及も多かった。県は工業技術センターの研究結果を基に、効率的に高品質の藍を製造できる方法を普及する方針を示した。
 栽培農家の後継者育成を図るとともに、人の勘に頼っていた製造手法を、科学的根拠を基に効率化するという。
 県の第8次伝統工芸産業振興計画によると、着物離れから沖縄の伝統染め織りも着尺や帯地の需要は減る傾向にあるが、観光客の増加で布地を使った小物類の売り上げは伸びているという。多様な消費者のニーズに応えた染織物の活用も必要だ。伝統を残すために消費者が買い支えるという支援も必要だ。
 沖縄の空と海を映したような深い青。琉球藍は、本土で使われる蓼(たで)藍や、インド藍とは違う植物で、沖縄で古くから使われてきた。琉球藍の生産技術向上のために、産学官が連携を強化してほしい。