<社説>県民投票2月24日に 意思を示す貴重な機会だ

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票が来年2月24日に実施されることになった。新基地建設に対する県民意思を示す貴重な機会だ。全市町村で実施できるよう環境を整えたい。

 県民投票が行われるのは1996年以来22年ぶりだ。前回は在沖米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しの是非が問われた。今回は辺野古の埋め立てという具体的な事象への賛否を問う。賛成欄、反対欄のどちらかに「○」を記入するシンプルな方式だ。
 県議会で県民投票条例案を審議した際、自民、公明両党は「やむを得ない」「どちらとも言えない」を選択肢に加えた修正案を提出したが、賛成少数で否決された。
 「やむを得ない」は賛成に含まれるし、「どちらとも言えない」と考えるなら投票しないはずだ。基地は造るか造らないかのどちらかであり、殊更に選択肢を増やすのは合理性に乏しい。
 大切なのは、より多くの有権者が投票所に足を運んで1票を投じることだ。そのためには県内41市町村の全てが投開票事務に協力する態勢をつくる必要がある。
 だが、石垣、糸満、うるま、宜野湾の4市は態度を保留している。石垣市議会は県民投票に反対する意見書を10月に賛成多数で可決した。宜野湾市議会でも反対の意見書を可決する動きがある。
 住民投票は直接民主制の一方式で、代表民主制の欠陥を補う制度だ。投票の結果に法的拘束力はないものの、特定の事象に対する民意の在りかを明らかにするのに、これ以上有効な手段はない。
 市町村議会が県民投票に反対する意見書を可決するのは自由だ。それぞれの考えがあっていい。だからといって、投票に必要な予算案まで否決するのなら、行き過ぎであり、権限の乱用と言わざるを得ない。投票をする権利まで奪うのは「口封じ」にほかならず、民主主義の否定につながるからだ。
 党利党略の思惑から県民投票を政争の具にしてはならない。問われるべきなのは新基地であって県民投票ではないのである。
 投票の結果、埋め立て賛成が多数を占めれば新基地建設を推進する安倍政権にとって望ましい状況が生まれる。逆に反対が多数を占めれば県の主張に説得力が加わる。
 賛成、反対のどちらが多数を占めるにしても、投票結果は重い意味を持つ。
 96年に実施された新潟県巻町の原発建設計画の賛否を問う全国初の住民投票では6割が反対し計画が撤回された。2000年の徳島市の住民投票では、吉野川可動堰建設への反対が9割を超し、建設が中止されている。
 県民投票は米軍基地が集中する沖縄県の在りようについて県民一人一人が真剣に考える機会にもなる。改めてその意義を再確認したい。