<社説>新成人へ 若い力発揮し未来築こう

 きょう14日は「成人の日」。晴れて大人の仲間入りをした皆さん、おめでとう。

 県内の新成人は昨年より165人多い1万6647人。自覚と責任を持ち、自らの目標に向かって人生の大海原へ船出をしてほしい。併せて、地域にも目を向け、一緒に力を合わせて希望に満ちた未来の沖縄を築いていこう。
 まず望みたいのは、感謝の気持ちを忘れないことだ。ここまで成長を支えてくれた家族をはじめ、学校、地域などお世話になった方々に感謝してほしい。決して自分一人だけで生きてきたのではない。
 昨年最も売れた本「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著)にこんな一節がある。
 〈子供のうちは、どんな人でも、地動説ではなく、天動説のような考え方をしている〉
 自分を中心に世間が回っているという考え方だ。大人になるにつれ、客観的に自分と社会との関係性を習得していく。新成人も、社会の一員としての役割を認識し、創造力と行動力で貢献してほしい。
 この本には生き方の指針が随所に出てくる。悩みや葛藤を抱える15歳の中学生「コペル君」が、叔父から助言を得ながら成長していく物語だ。
 いじめられている友人を助けられなかったコペル君が深い後悔の念に駆られる場面がある。叔父さんは〈自分の過ちを認めることはつらい〉〈しかし―僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ〉と説く。
 新成人への示唆でもある。これからの人生には山も谷も多いだろうが、未来への扉を開くのは自分である。周りに振り回されず、失敗を恐れず、自分の頭で考えて決め、行動することが不可欠だ。
 新成人の大半が生を受けたのは1998年。生まれた時からインターネットやパソコンに触れてきた「デジタルネーティブ世代」でもある。スマホやSNSを駆使できる利点を、人とつながり支え合う力の方に生かしてほしい。
 一方でネットには誤情報やデマも多い。真偽を見極める目を養わないといけない。時にはスマホから離れ、直接対話する大切さも確かめたい。
 生まれた時からあると言えば、沖縄の米軍基地もそうだ。フェイク(偽)ニュースが流布する中、正しい歴史を学ぶことが求められる。分断と対立をあおる動きにも、冷静に判断できる力を蓄えてほしい。
 選挙権は大人として大事な権利の行使だ。既に18歳選挙権の適用を受けて投票した人もいるだろうが、10代の投票率はまだまだ低い。政治に背を向けると、いずれは自分たちの生活に影響を及ぼしてくる。1票には未来を変える力があることも胸に刻みたい。
 沖縄は可能性と魅力を秘めた地域だ。スポーツや芸能などで先輩たちの活躍は目覚ましい。経済や観光も好調だ。そこに若い世代の感性や気概、活力が加われば、将来には明るい展望が広がっている。









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