<社説>県民投票3択で調整 全県実施で知恵絞ろう

 辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票を全市町村で実施できるよう、選択肢を現在の「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択で実施する方向で調整が始まった。全市町村での実施に向けた動きを歓迎したい。

 県議会の新里米吉議長が県政与党会派に、野党と調整に入ることを伝えた。県議会で3択とする条例改正案を全会一致で可決することを目指す。予定通りに2月24日を投票日とするには、1月25日までに与野党で合意し、29日までに臨時議会で可決する必要があるという。
 全市町村実施に向けた動きが急転直下で動き始めたのは、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表がハンガーストライキを始めたのがきっかけだ。県民投票の実務を実施しない県内5市の首長に対し、実務実施を求めて水と塩だけを摂取し、食事を取らずに宜野湾市役所前で15日から座り込みに入った。
 この取り組みに共感した多くの人々が支援や署名のため次々と駆け付けた。身をていした若者の切実な訴えに、公明党県本部には党支援者から全市町村実施を求める声が相次いだようだ。このため同党県本の幹部が新里議長に、与野党間の再調整に乗り出すよう要請したのだ。
 実務実施を見送る方針の5市の中には、3択なら実施に転じる可能性を示唆する市長も出てきた。5市が参加しないまま県民投票が実施されれば、全県の有権者数の31%に当たる約36万7千人が投票できなくなる。県民の意思を示す県民投票で、これほど多くの人が投票できない事態は避ける必要がある。
 公明県本が議長に妥協案として提案した当初の3択は「容認」「反対」「どちらとも言えない」と「賛成」「反対」「どちらとも言えない」の2案だ。「反対」に対する回答が「容認」か「賛成」の2種類を提示した。これに対して議長が示しているのは「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択だ。議長案で調整が進んでいるという。
 本来であれば、県議会の与野党は昨年10月の条例案審議で、全会一致の可決を目指すべきだった。自公が4択の修正案を提出したが否決され、与党の2択案を賛成多数で可決した。結果的に、与野党間にしこりを残した。
 全会一致に至らなかったことが5市の実務実施の見送りにつながったことは否定できない。歩み寄ることができなかった与野党ともに反省すべきだろう。
 琉球新報社、沖縄テレビ、JX通信社が実施した世論調査では、70・96%が全市町村で「実施すべきだ」と回答している。
 投票日まで残り約1カ月だ。与野党の再調整は待ったなしだ。今度こそ与野党は互いに歩み寄り、知恵を絞っていくべきだ。そして多くの県民が望む全市町村実施を目指してほしい。