<社説>きょうキャンプイン 子どもたちに夢を与える

 プロ野球の春季キャンプがきょう一斉に始まる。12球団中、9球団と韓国7球団が沖縄でトレーニングし、長いペナントレースを戦い抜くための活力をつくる。サッカーも2年連続日本一を果たした川崎フロンターレなどJ1勢を中心に過去最多の27チームが集結する。

 選手や球団関係者はもとより、ファンや報道陣の来県がもたらす経済効果は大きい。報道によって沖縄の温暖な気候やスポーツ施設をアピールできる機会でもある。さらに子どもたちがプロの技術に刺激を受け、夢や希望につながる効果も大きい。沖縄のスポーツ振興にも寄与する。
 活況は県や市町村の受け入れ態勢の整備や誘致活動の成果だろう。これにとどまらず、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて各種スポーツの合宿を誘致している。沖縄をスポーツキャンプのメッカにしてほしい。
 今年のプロ野球沖縄キャンプは、昨夏の甲子園を沸かせた大阪桐蔭高の根尾昂(中日)と藤原恭大(ロッテ)、金足農高の吉田輝星(日ハム)らが話題だ。もちろん、県出身選手もパMVPと本塁打王に輝いた山川穂高(西武)を筆頭に、パ最多勝の多和田真三郎(同)、東浜巨(ソフトバンク)、又吉克樹(中日)らに注目が集まる。
 毎年、プロ野球キャンプの経済効果を試算するりゅうぎん総合研究所によれば、2018年は延べ観客数が前年比8%増の37万7千人、経済効果は同12%増の122億8800万円で、ともに過去最高となった。経済効果には宿泊や飲食、土産品、運輸・交通などが挙げられるが、それ以外にもキャンプ期間中に連日メディアを通じて発信される「スポーツ・アイランド沖縄」のPR効果も大きい。
 沖縄のプロ野球キャンプは1978年に名護市で日本ハムが投手陣のキャンプを張ったことがきっかけになった。スポーツキャンプは冬場のオフシーズンとなる沖縄へ誘客できる材料になる。
 キャンプ誘致には施設整備も欠かせない。サッカーの場合、一時期、県内のグラウンドの芝生の状態が悪く、実施チームが減った。県は芝生を良好に保つ「芝人(しばんちゅ)養成事業」などで環境改善を図り、V字回復を果たした。
 今後は東京五輪に向けた事前キャンプや合宿の受け入れを図りたい。既にニュージーランドの空手連盟やソロモン諸島の水泳チームが沖縄での事前合宿を決めている。競技が多岐にわたる分、受け入れにはそれぞれの競技に合った施設整備も必要だ。情報収集と各国への広報活動にもさらに取り組む必要がある。
 温暖な気候に加えて、沖縄には東京やアジア地域へ比較的短時間で移動できるメリットがある。観光立県として培ったホスピタリティーも生かせる。官民挙げてキャンプ地沖縄の発展を目指したい。