<社説>琉球新報活動賞 情熱から多くを学びたい

 「一隅を守り千里を照らす」を基本理念に、社会の一線で活躍する気鋭の人物、団体を顕彰する琉球新報活動賞はことし5団体、2個人に贈られる。より良い社会を築くため地道な活動を続けてきた人たちだ。その情熱から多くを学びたい。

 小児在宅医療基金てぃんさぐの会(冨名腰義裕会長)は、在宅医療を必要とする子どもたちをサポートしている。たん吸引器などの医療機器を無料で貸し出すほか、サマーキャンプなどで外に出る機会も提供する。難病の子どもたちの生活の質を高める取り組みは極めて貴重だ。
 にじのはしファンド(糸数未希代表)は、県内の児童養護施設などから巣立ち、進学する若者の経済的支援を続ける。支援の輪は県外にも広がっている。子ども図書館「にじの森文庫」を2016年に開所した。「伴走者」として、子どもたちと歩み続ける活動の意義は大きい。
 あまわり浪漫の会(長谷川清博会長)は、現代版組踊「肝高の阿麻和利」の企画・運営を担う。出演者の保護者やうるま市の有志でつくる。組踊の演技は県内外で高い評価を受けてきた。歴史・文化の継承、青少年の健全育成、地域活性化に大きく寄与し、人々に自信と誇りをもたらした。
 島袋永伸さん(日経教育グループ代表)は、予備校の経営を通して人材育成に力を尽くしている。日経ビジネス学院を開校してから30年余で、公務員、観光分野などへ1万人以上を送り出した。海岸の環境美化にも取り組む。幼児から社会人まで、幅広い年代に学びの場を提供している。
 WUB沖縄(上江洲仁吉会長)は、世界各地で活躍するウチナーンチュと連携してビジネス活動の推進を目指す団体だ。個人、法人が会員となり、世界各地にネットワークを持つ。18年には第1回アジア会議を開催し、沖縄からアジア市場に進出する気運づくりに努めた。
 沖縄芝居研究会(伊良波さゆき代表)は琉球芸能の若手実演家を中心に結成された。せりふの持つ深い意味、習慣など、台本を読んだだけでは分からないところなどを学び、研さんを積む。大切な文化である沖縄芝居を継承・発展させる担い手として、一層の活躍が期待されている。
 當山善堂さん(八重山古典民謡保存会師範)は実演者として研さんを積む傍ら、08年から13年にかけて「精選八重山古典民謡集」(全4巻CD付き、自費出版)を完成させた。「八重山古典民謡の最適・最良の教科書」と高く評価されている。執筆意欲はなおも旺盛だ。
 分野は違うが、受賞が決まった団体・個人は、より良い社会づくりに役立ちたいという強い使命感を持っている点で共通している。
 贈呈式・祝賀会は28日に行われる。功績をたたえるとともに、後進が次々と現れることを期待したい。