<社説>県民投票の県外反応 「辺野古」全国で議論を

 本土の国民の意識が問われる番である。

 名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で投票者の7割超が反対の意思を示した。沖縄を除く46都道府県知事を対象に本紙が実施したアンケートで日米政府は結果を尊重すべきかを聞いたところ、回答を得た知事43人中「そう思う」と答えたのは静岡県の川勝平太知事、1人だけだった。
 未回答の岩手県の達増拓也知事は会見で「(結果を)重く受け止めるべきだ」と述べたものの、28人は回答を控え、14人は「どちらとも言えない」と答えた。
 米軍普天間飛行場の代替施設の受け入れを検討できるかとの問いに「検討できる」と回答した知事はいなかった。
 残念だ。全国の知事の態度は、過重な米軍基地負担を背景に県民が示した新基地建設反対の明確な民意に向き合っているとは言い難い。民主主義の担い手であるはずの都道府県トップの政治家がこのような意識でいいのか。
 そもそも知事選や国政選挙など節目の選挙で辺野古新基地反対の民意を示してきた県民が、県民投票で改めて意思を示さなければならなかったのは、普天間飛行場の代替施設を本土側が受け入れないことが大きな理由の一つだ。
 複雑な心情や分断の痛みを伴いながら県民投票を実施した大きな狙いの一つは、明確な民意を示すことによって全国的な議論を喚起することだった。
 玉城デニー知事は1日の日本外国特派員協会での会見で国民全体で議論するよう呼び掛けた。辺野古移設問題のボールは日米両政府や本土の国民に投げられたのだ。
 ところが安倍晋三首相は結果を「真摯(しんし)に受け止める」と述べながら、埋め立て工事は強行したままだ。言行不一致も甚だしい。岩屋毅防衛相に至っては、国会の答弁で「一部に反対のご意見があることも承知している」と述べ、7割超が反対した民意を「一部」と断じ、矮小(わいしょう)化した。
 こうした態度を示す政府を支えているのは本土の有権者だ。安倍政権を選挙で選んだ責任がある。無理解・無関心は無責任だ。県民投票で沖縄の明確な民意が示された今、工事の強行を黙殺することはなおさら許されない。
 憲法学者の小林節慶応大名誉教授は「県民投票には憲法上の拘束力がある。政府は憲法の趣旨に従って『少なくとも県外への移設』を追求すべき義務がある」と述べている。重要な指摘だ。政府も本土の国民も、この憲法上の拘束力を認識すべきだ。
 一方、東京都の小金井と小平の両市議会は普天間の代替施設の必要性や移設先について国民的議論を求める意見書を可決した。この動きが全国に広がってほしい。一人一人が沖縄の基地問題をわが事として捉え、活発な議論を繰り広げることで、全国で理解が深まることを切望する。



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