<社説>最新旅客機運航停止 墜落原因の解明が急務だ

 エチオピア航空の旅客機ボーイング737MAX8が墜落したことを受け、世界各地で同型機の運航や乗り入れが停止される事態になった。

 乗客乗員の安全は何よりも優先されなければならない。墜落した原因が解明され、再発防止策が講じられるまで飛行停止を継続すべきだ。
 737MAX8は納入が始まったばかりの最新機種だ。ボーイングにとっては主力の旅客機である。
 だが昨年10月、インドネシアの格安航空会社(LCC)ライオンエアの同型機がジャカルタ沖で墜落した。搭乗していた189人は全員死亡したとみられている。インドネシアの国家運輸安全委員会は、速度を表す「対気速度計」の故障があったと発表した。
 さらに今月10日、エチオピアの首都アディスアベバ郊外で墜落事故が起き、乗客乗員157人全員が死亡したのである。米連邦航空局は二つの事故には類似点があると指摘している。
 最新鋭旅客機の相次ぐ墜落は、通常では考えられない異常事態だ。人為的ミスの有無はもちろん、機体やシステムに不具合がないのか、徹底的に調査する必要がある。
 まずはフライトレコーダー(飛行記録装置)などを積んだブラックボックスの解析が急務だ。エチオピア当局は、フランスの航空事故調査局に解析を委ねるという。利害関係がある米国を避けたのは、適切な判断と言えよう。
 ボーイングは、機体の安全性について「完全な自信を持っている」と強調するが、どんなに自信があっても、事故が起きてしまったのでは、安全への信頼は揺らぐ。
 これまでに納入された同型機は世界で370機余り。現時点で、日本の航空会社は運航していないが、全日空グループは737―800型などの後継として21年度以降、計30機を導入する方針を明らかにしている。
 そうなれば、沖縄路線にも就航する可能性が大きいだろう。遠い外国で立て続けに起きた惨事は、決して人ごとではない。
 沖縄は、県外や先島などとの往来を航空交通に依存せざるを得ない離島県だ。飛行機が嫌だから鉄道を利用するというわけにはいかない。安全な運航が確保されているかどうかは、県民にとって死活的な意味を持っている。
 航空機のトラブルはどんなにささいなことでも絶対にあってはならない。万一、事故が起きれば、沖縄観光にも深刻な打撃を与える。
 墜落事故に関し、石井啓一国土交通相は「今後の動向を注視し、適切な措置を講じる」と述べていた。日本の航空会社が同型機の導入を予定している中にあって、危機意識が不足しているようにも映る。
 日本としても、航空機の安全対策の徹底を製造国である米国側に強く申し入れるべきだ。手をこまぬいている場合ではない。