<社説>那覇空港で停電 幾重もの防止策不可欠だ

 客を招き入れ、送り出す玄関口がこれではいけない。県民にとっても県内外を移動する大事なインフラであり、一方で物流を担う拠点である。空港機能は、まさしくライフラインに等しいことを肝に銘じてほしい。

 那覇空港で9日午前6時56分ごろから同8時20分ごろまで停電があった。搭乗手続きなど主要機能が失われ、少なくとも数百人に影響が出た。運航ダイヤも終日乱れた。国内、国際線で少なくとも24便が欠航、遅延している。
 運航機能だけが損なわれたのではない。エスカレーターやトイレの洗浄なども停止している。空港利用者、とりわけ幼児や高齢者、障がいのある人たちへの不便は計り知れない。
 停電の原因は2機ある変圧器のうち、1機に過剰な電力が流れ、もう1機の変圧器に全電力が流れて処理能力を超え、ブレーカーが落ちたことだという。送電は正常だったため、備えていた非常用発電機も稼働しなかった。
 那覇空港は3月に国内、国際線旅客ターミナルビルをつなぐ連結施設が完成している。国際、国内の客の乗り継ぎがスムーズになった。併せて施設規模も拡大している。
 国際線のチェックインカウンターが3倍の60ブースとなり、飲食店や土産品店など36店が新たに出店した。
 運営管理する那覇空港ビルディング(NABCO)によれば、今回の停電の原因の一端には、連結ターミナルの設計をした際に想定していた電気使用量を超えたことがあるという。
 詳細な停電原因については「調査中」としているが、二度とあってはならないことだ。早急に原因を究明し、徹底した再発防止策を講じる必要がある。
 停電を受け、那覇空港ビルディングは、3台あるうちの1台の変圧器の設定を変更して電力の許容量を拡大した。残りの2台についても許容量の設定変更をする対策を検討するという。
 これを機会に想定されるあらゆるシステムエラーやヒューマンエラーについても検討を進めてもらいたい。
 2018年の速報値で那覇空港の旅客数は2138万人(国内線1754万人、国際線384万人)に上る。1日当たり6万人近く人が利用している。利用客数の増加に伴い、空港施設にかかる負荷も増大している。それに備えた対応策は常に更新されなければならない。
 国土交通省によると、災害以外での長時間停電は全国でも例がないという。
 2020年3月には第2滑走路の利用開始が予定されている。離島県である沖縄にとって、いざという時に別の空港を使うなど、代替の利かない施設である。
 空港は、誰にとっても常に安心、安全が確保された施設でなければならない。幾重にも安全策を講じるべきだ。









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