<社説>新潟で最大震度6強 なおも厳重な警戒必要だ


社会
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 新潟県村上市で最大震度6強を観測する地震が18日夜、発生した。山形県沖を震源地とし、地震の規模はマグニチュード(M)6・7と推定される。秋田、宮城、山形、新潟、石川の5県で、30人が負傷した。

 今後1週間ぐらいは最大震度6強程度の地震に見舞われる恐れがあるという。引き続き厳重に警戒しなければならない。大きな揺れがあった地域は地盤が緩んでいる可能性がある。土砂災害にも最大限の注意が必要だ。
 震度6強の揺れの中では、はわないと身動きが取れず、固定されていない家具の多くが倒れたりする。地割れや地滑りが起きることもある。極めて危険な状況に陥る。
 今回の地震では、建物の倒壊、斜面の崩落、崖崩れなどが起きたほか、液状化で道路が陥没・隆起した。10センチの津波が観測されたが、被害は確認されていない。一時は9千戸以上が停電した。
 政府は、地震被害の実態把握に努め、災害対応に全力を挙げてもらいたい。
 国内で震度6強以上の地震が起きたのは、昨年9月6日の北海道地震以来のことだ。過去10年間で見ると、2011年3月11日の東日本大震災、16年4月の熊本地震、昨年の北海道地震で最大震度7を観測している。
 政府の地震調査委員会は、山形県―新潟県北部沖のエリアでM7・5~7・7程度の地震が起こると評価していた。今回を上回る大規模な地震が起こる可能性をはらんでいる。
 日本海東縁部が沿岸に近いことから、短時間で津波が到達すると専門家は警鐘を鳴らす。地震が起きたら直ちに避難しなければならない。
 沖縄には大きな地震が来ないと思い込み、人ごとと受け止める人がいるとすれば大きな間違いだ。
 近代以降、石垣が崩れるといった被害が出た地震が沖縄で10回以上起こっている。1911年の地震は死者1人、負傷者11人の被害をもたらした。2010年に糸満市で震度5弱を観測したことも忘れてはならない。
 地震調査委員会が公表した全国地震動予測地図18年版によると、沖縄県の沿岸部の大半は、向こう30年間に26%以上の確率で震度6弱の揺れが起こる地域とされている。
 油断していると、いざ大規模地震に襲われたときに被害の増大を招く。普段から、避難場所や避難経路を確認し、地震発生時に取るべき行動を家族で話し合っておくことが大切だ。
 倒れやすい家具などは固定する。懐中電灯、非常用食料、水の備蓄は欠かせない。ブロック塀についても強度に問題がないのかチェックし、補強しておきたい。
 今回の地震では、日頃の訓練を生かし、行政の指示・勧告を待たずに避難する住民の姿も見られた。参考にする必要があろう。