<社説>吹奏楽部不適切経理 部活動助成の議論必要だ

 県立高校の吹奏楽部の活動を巡り、県から学校側に交付される予算が、本来は認められていない部活動の楽器購入費に充てられていた。県教育委員会が県費の不適切経理として調査に乗り出す事態となっている。事実関係をしっかり把握し対処してほしい。

 那覇市の小禄高校で2015~17年度の3年間、県の教育費の中の「役務費」と呼ばれる予算が吹奏楽部の楽器購入費に利用されていた。役務費は、パソコンや実験器具、授業用楽器など校内備品の修理・調整費や学校の通信費などに充てられる予算だ。
 だが吹奏楽部の顧問と副顧問は楽器の調整費名目で役務費から予算を得て、資金は楽器業者2社に入金されていた。資金は業者が管理し、一定程度集まった段階で部活動の楽器購入に使われたという。
 資金は3年で少なくとも約150万円がプールされ、この資金から約85万円の打楽器ビブラフォンなどが購入されているが、学校には購入記録はない。保護者から集めた教材費からも、合唱曲集の購入費として業者に資金がプールされていた。取材に対し業者は「いけないこととは分かっていた」と話している。
 業者らは資金の私的流用は否定している。だが少なくとも公費の目的外使用や不適切な会計処理は明らかだ。教育現場で不正などがあってはならず、誠に遺憾である。
 平敷昭人県教育長は不適切な経理を認め「誠に残念だ」と述べた。県教委は他校にも不適切な事例がないか調べるため、全県立高校と出先機関に調査するよう指示した。
 業者らによると、同高校以外にも楽器購入などに関するプール金などの事例がある可能性は否定できない。県教委は全県的な調査も速やかに実施してほしい。さらに今回の問題を踏まえ、部活動を巡る経費の負担と監査方法をはじめ、部活動への公費助成の在り方なども含めて幅広く議論した方がよい。
 今回、業者とともに学校でプール資金の造成に主に関わったのは吹奏楽部の顧問と副顧問の教諭だったという。2人の主張に食い違いもあり、今後の調査が待たれるが、いずれにしても県費の使用内容をもっと幅広くチェックできる仕組みが必要ではないか。
 さらにそもそも、部活動が「教育課程外」だから部活用の楽器購入は県費助成の対象にならないという点は、議論する余地はないのだろうか。今回は楽器を実際に調整するための費用は保護者会費から支払われていたが、高額な楽器の購入は保護者会費だけでは対応が難しい。演奏会や遠征費などの負担も重い。
 県内の吹奏楽やマーチングは小中高校の各段階で実績を重ね、全国でも高い評価を得てきた。それだけに問題の衝撃は大きい。日々活動に励む生徒らへの影響も考慮しなければならない。再発防止や支援の在り方について関係者間で知恵を出し合いたい。