<社説>健診異常全国最悪 生活習慣の改善が急務だ

 健康増進のために、県民ぐるみの取り組みが必要だ。

 2018年の県内事業場(労働者50人以上)の定期健康診断で何らかの異常所見があった人の割合が66・7%に達した。沖縄労働局が発表した。09年の統計開始以来、最悪だ。全国平均の55・5%を大きく上回り、8年連続で全国ワーストを記録している。
 常時50人以上の労働者を使用する事業者は定期健康診断結果報告書を労働基準監督署に提出することが義務付けられている。報告のあった1070事業場の受診者11万4271人のうち7万6189人の健康診断項目に異常の所見があった。
 有所見率が最も高いのは血中脂質で、40・9%に上る。全国平均は31・8%だ。以下、肝機能、血圧と続く。由々しき事態である。
 血中脂質の異常は動脈硬化を促進する。動脈硬化が進めば、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な疾患の原因になる。
 年を重ねても、日常生活に支障を来さない健康な状態を維持していくためには、若いうちから食生活に気を配り、適度な運動を心掛けることが大切だ。
 高い有所見率の背景について専門家は、欧米型の食習慣の蓄積、自家用車への過度の依存による運動不足などを挙げる。幼い頃から食生活が高脂肪、高カロリーに偏っている傾向が見られるという。他府県に比べ、徒歩で移動する習慣が広がっていない点も見過ごせない。
 沖縄では50代男性の2人に1人が肥満だ。全国に比べて突出して高い。肥満になると糖尿病や動脈硬化のリスクが高まる。健康の大敵であり、「万病のもと」ともいわれる。
 定期健康診断では生活習慣病の要因となる項目で有所見率が高い。その点は全国も同様だが、沖縄の場合、数値が全国平均を大きく上回る。このままでは長寿県沖縄の復活など、夢のまた夢だろう。
 健康長寿のためには、食生活の改善、運動不足の解消に加え、たばこを吸わないこと、飲酒量を減らすことなどがポイントになる。健康を脅かす不適切な生活習慣を改めることが急務だ。
 県民の間で危機意識を共有する必要がある。企業の役割も重要だ。社員の健康は、企業が発展していく上で欠かせない要素であり、業績拡大の鍵を握ると言っても過言ではあるまい。
 労働者が健康を損ねることのない、快適な職場環境づくりに努めるべきだ。従業員の健康管理に積極的に関与していく姿勢が求められる。
 沖縄は小規模・零細事業者が多い。そこで働く人たちが健康診断を受けやすい体制を整えなければならない。
 県は「健康長寿復活プロジェクト」の中で、40年までに平均寿命の都道府県順位1位を男女とも奪回し、健康寿命も延ばすことを目指している。その実現には官民挙げた不断の努力が大前提になる。