<社説>水難事故多発 安全対策の周知徹底を

 県内で水難事故が相次ぎ、歯止めがかからない。

 9日に今帰仁村のビーチで英国人男性が溺れて死亡し、11日にも同村でダイビング中の女性が死亡する事故が起きている。旧盆初日の13日には那覇市と石垣市のホテルの屋外プールで幼児が溺れ、意識不明に陥った。
 これらの事故に遭った人のほとんどが観光客だ。沖縄を訪れる観光客は年々増え、年間入域観光客数1千万人が目前である。海やプールなどでレジャーを楽しむ際は安全対策を徹底するよう、県民だけでなく観光客にも注意喚起を徹底する必要がある。美しい海に広く囲まれている沖縄にとって、海は大きな観光資源だ。青い海を目当てに来県する観光客も多い。
 命に関わる事故に遭えば、せっかくの楽しい時間が悲しみのどん底へと変わってしまう。それを未然に防ぐことは、観光立県としての責務ともいえよう。
 県や市町村などの行政機関がダイビング業界やホテル業界と連携し、周知と対策の徹底を図る必要がある。
 沖縄観光に関するサイトや、海洋レジャーの案内パンフレットなどで沖縄の海に関する基本的な知識や安全対策を分かりやすく呼び掛けることも有効だ。
 例えば、干潮から満潮に転じる際の速い海流や深み、心臓が縮こまる水温の急激な変化など、海の危険を示したり、ハブクラゲやオニダルマオコゼなどの危険生物を取り上げて近づかないよう注意を促したりすることだ。
 県民の側も普段から水難事故を防止する意識を持ち、安全のための知識を身に付けておく必要がある。近年の水難死亡事故は、ライフジャケットを着用しないで釣りやシュノーケリングをしたり、飲酒しながら魚釣りをしたり、監視員や救助員のいない場所で海水浴をしたりすることが特徴という。
 つまり、魚釣りや遊泳の際には飲酒をせず、ライフジャケットを着用すれば、事故の多くが未然に防げる。監視員や救助員のいない場所での遊泳は避けたい。
 とりわけ子どもたちの水難事故を防止するには、大人の役割が非常に重要だ。海や川、プールで泳ぐ際は大人が同行し、複数の目で子どもたちを見守りたい。水と親しむためのルールや危険を未然に回避する方法などについて普段から子どもたちと話し合っておくことも大切だろう。
 県内では夏休みが8月末まで続く小中学校も多くある。残りの夏休み期間、楽しい思い出を残すためにも遊泳の際は十分注意し、事故を未然に防ぐことを、大人も子どもも一緒になって心掛けたい。
 これ以上、水難事故の犠牲者を増やしてはならない。観光客の意識にも届くほど強力に県民が一体となって事故防止に取り組むことが肝要だ。それが観光客を笑顔で帰す第一歩にもなる。