<社説>米軍機から窓落下 安全管理の不備明らかだ

 またしても飛行中の米軍機が部品を落下させる事故が起きた。一歩間違えば大惨事を招きかねない。安全管理体制の不備は明らかだ。政府は県民の命を守る立場から同型機の飛行をやめさせるよう米側に強く求めるべきだ。

 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターがプラスチック製の窓を落下させた。重さ約1キロで緊急時の脱出口という。発生は27日午後5時半ごろ。落下地点は沖縄本島東海岸沖約8キロと、あいまいな情報しか開示されていない。
 落ちた場所さえ特定できないほど漫然と飛行していたのか。航空機の運用に関しては細心の上にも細心の注意が必要だ。いつの間にか落ちていたでは済まされない。緊張感を欠いた運航が横行しているとすれば県民は安心して生活できない。
 県によれば、米軍機の部品や搭載物の落下は、1972年の復帰以後、昨年12月までに70件が確認されている。2017年12月には普天間第二小学校のグラウンドに金属製の窓が落下した。今回と同型のCH53Eヘリだ。今年6月にも同型機が浦添市立浦西中のテニスコートにゴム製テープを落下させている。
 1981年から運用が始まったCH53Eは機体の老朽化が進んでいる。加えて点検整備がなおざりである可能性が指摘されている。整備能力の欠如によるヒューマンエラーがないのか。早急な整備体制の再点検が求められる。老朽化した整備不良の機体が飛び交う危険は看過できない。
 それだけではない。事件・事故が発生したときは、速やかに日本側へ通報すべきだが、守られていない。
 日米両政府は97年、日米合同委員会で在日米軍による事件・事故発生時の通報体制を確認したはずである。米軍機からの落下物事故は基地内外を問わず、速やかに通報することを定めている。
 今回の落下事故は27日に発生しているにもかかわらず、県や関係自治体への通報は2日後の29日である。「速やかに」とは到底言えない。
 通報の遅れは今回にとどまらない。普天間飛行場所属のMV22オスプレイのエンジンの空気吸入口が昨年2月に落下した際は通報そのものがなかった。沖縄防衛局の問い合わせに落下を認めている。
 15年3月にも普天間所属のオスプレイが基地内での消火活動中にアルミ製部品を落下させた。沖縄防衛局に連絡があったのは発生から4日後だった。
 通報の仕組みが機能していないのは明らかだ。米軍が駐留する上で最低限必要な信頼関係は根底から崩れている。多くの県民にとって米軍は「良き隣人」どころではない。
 安全管理の不徹底が露呈した。政府は機体整備が適切に行われているか日本側が点検、確認できる立ち入り調査などの仕組みの構築を米側に求めるべきだ。



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