’12回顧 文化・スポーツ/若者の活躍 県民の励みに


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 今年は国内外の舞台で文化活動やスポーツの分野で県出身の若者による活躍が目立ち、多くの県民に希望と勇気を与えてくれた。
 8月の米女子ゴルフツアーのセーフウェー・クラシックで宮里美香選手がツアー参戦4年目で初優勝を飾った。日本人選手では8人目、最年少22歳での快挙に多くの人が喜びに沸き返った。

 宮里藍選手も今季2勝を挙げ、模範的な選手に贈られる「ウィリアム&モージー・パウエル賞」も日本人で初受賞した。上原彩子選手も来期米ツアーの出場権を獲得し、女子ゴルフ界での県出身者の飛躍は目覚ましい。
 来年の活躍が期待されるのが今年10月のプロ野球新人選択会議(ドラフト会議)で指名され、各球団に入団した県出身選手4人の存在だろう。ソフトバンク1位指名の東浜巨、ロッテ2位の川満寛弥、楽天5位の島井寛仁、日本ハム6位の屋宜照悟の各選手だ。
 東浜選手は東都大学リーグの亜細亜大進学後に1年からエースとして活躍し、リーグ歴代4位タイの通算35勝を挙げ、完封22、奪三振通算420はリーグ最多という輝かしい成績を収めた。入団会見で宣言したように、ぜひ新人王を勝ち取ってほしい。
 ロンドン五輪にも県出身者が出場した。自転車男子ロードレース日本代表の新城幸也選手だ。結果は48位だったが、その悔しさをばねに五輪直後のレース「ツール・デュ・リムーザン」では日本人初の総合優勝を決めた。来夏のツール・ド・フランスでの優勝、リオ五輪出場を照準に突き進んでもらいたい。
 パラリンピックにも陸上に上与那原寛和、車いすラグビーに仲里進の両選手が出場し、共に入賞を果たしたことは朗報だった。
 県出身映画監督の宮平貴子さんプロデュースのクロード・ガニオン監督の映画「カラカラ」がモントリオール世界映画祭の観客賞などに輝いた。これを機に沖縄映画界の底上げにつながってほしい。
 高校生も頑張った。写真甲子園では浦添工業高が初優勝し、県勢6回目の快挙を成し遂げた。音楽界ではうるま市出身のロックバンド「HY」の歌がNHKの連続テレビ小説「純と愛」の主題歌となり、紅白歌合戦の2度目の出場も決まった。
 来年も沖縄が活気に満ちた社会になるためにも、若者たちの幅広い分野での躍動に期待したい。