新成人へ 果敢に挑み社会に貢献を


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 きょう14日は「成人の日」。大人の仲間入りをした新成人を、心から祝福したい。これから、よりよい社会の建設に向けて、共に頑張っていこう。
 県内の新成人は1万7323人で、前年に比べ203人少ない。少子化社会を反映してか、県内でも減少傾向にあるという。その意味からも、社会にとって新たな人材は貴重だ。

 新成人に自覚と責任を持つことを促す一方で、雇用環境など、次代を担う若者が立派に成長していける社会になっているのか、われわれ先輩も問い直す機会だ。
 新成人にはいまの社会、世界はどう見えているのだろう。
 日本はデフレ不況のさなかにあり、特に若年層には厳しい雇用環境が続いている。未曽有の大震災と原発事故を経験し、復旧・復興が大きな課題となっている。
 国際社会では、内戦状態で市民が犠牲になっている国があれば、飢餓や貧困に苦しむ人々も依然として多い。温暖化など地球規模の環境汚染も深刻化している。
 わが沖縄はどうか。米軍普天間飛行場の移設問題では、多くの県民が県内移設に反対の意思を示しているにもかかわらず、日米両政府の辺野古移設方針は変わらず、欠陥機といわれる新型輸送機オスプレイも強行配備された。
 社会人として、こうした国内外の政治、社会情勢により敏感になってほしい。そして、自分に何ができるかを常に考えてほしい。若い世代こそ、社会の不正や理不尽さを正す原動力になると信じる。
 選挙権も与えられる。非常に重要な権利だ。自分自身の見識と展望を持ち、確実に権利を行使してほしい。それが社会を変えることにつながるということを、しっかりと自覚すべきだ。
 沖縄は可能性に満ちた場所だ。音楽、芸能、スポーツ分野での実績がそれを示している。経済分野でも、それこそ地理的優位性やウチナーンチュの海外ネットワークを生かした飛躍が期待できる。若者の発想や行動力を生かしてほしい。
 法律や社会ルールでも、大人として自覚と責任が問われるのは言うまでもない。苦悩や挫折はあろうが、誰もが経験することだ。旅も恋愛も読書もして見聞を深め、人生を謳歌(おうか)してもらいたい。
 いま抱いている清新な気持ちを忘れずに、果敢に挑戦し、社会に貢献することを期待する。