米兵住居侵入 禁止措置は絵に描いた餅か

 また米兵による住居侵入事件が起きた。これだけ繰り返して事件が起きると、憤りを通り越しあきれ果ててしまう。

 在日米軍は13日に新たな勤務時間外行動の指針を発表した。その中で「軍人が責任ある選択を行うことについてお互いに注意を払い、また教育を行うように各軍人と以前よりも密接に行動している」と宣言していた。
 その決意から5日後に「責任ある選択を行う」ことができない兵士が逮捕された。酒の臭いをさせながら、民家敷地に無断で立ち入り、さらに別の民家の屋上に上がり、駆け付けた警察官に気付くと別の住居の屋上に次々と飛び移り、隠れているところを確保されている。
 この兵士は基地内に居住している。在沖米軍の措置では自宅で飲酒したら、血中アルコール濃度0・03%以上なら基地外に外出することを禁じており、兵士は措置に違反していた可能性がある。
 さらに警察の飲酒検知と供述調書への署名を拒否し、詳細な供述については「弁護士が来るまで話さない」と黙秘している。「尊敬している日本の文化を一層強調した」と記した在日米軍の新指針をこの兵士は守るつもりがないのだろう。そもそも指針自体を知らなかったかもしれない。
 今回の事件をみても、米軍がどんなに新たな再発防止の措置を重ねても、事件はなくならないことがはっきりした。米軍という組織の統制力に大きな問題があるとしか思えない。そうであるならば、措置などの規則は、ただの絵に描いた餅だ。
 県は1月7日、外出禁止令を破って事件を起こした米兵が相次いで逮捕されていたため、外務省沖縄事務所に「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム」の会合を早期に開催するよう求めた。しかし1カ月経過しても開催の動きはない。
 県議会は米兵事件の再発防止策について聞くため、沖縄防衛局長と外務省沖縄大使に参考人招致を打診している。打診から15日経過しても、2人から出席可否の返事はない。招致予定日として設けた候補3日のうち、すでに2日は過ぎている。
 不誠実な対応は出先機関の責任や存在意義を自ら否定するに等しい。新たな事件発生について日米両政府はどう考えているのか。県民に誠実に説明すべきだ。



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