米兵住居侵入 犯罪の集中看過できない

 在沖米軍嘉手納基地所属の海軍曹長が女性の部屋に無断で入ったとして住居侵入容疑で逮捕された。部屋には30代の女性が寝室で休んでいた。突然押し入ってきた米兵に気付いた女性の恐怖はいかばかりだったろうか。米兵による住居侵入事件は昨年12月以来、これで3件目だ。事件に歯止めがかかっておらず、もはや米軍駐留そのものを見直す必要があると言わざるを得ない。

 在沖米軍は現在、事件事故の再発防止策として基地外住宅を除いて基地外での飲酒を禁止している。また基地外住宅や基地内で飲酒した場合、血中アルコール濃度0・3%以上ならば外出も禁じている。今回事件を起こした容疑者は基地内で飲酒していたことを認めており、禁止令を破った可能性がある。どんなに再発防止策を講じても、兵士に禁止令を守る意志がなければ絵に描いた餅でしかない。
 県内での米軍人、軍属、家族の米軍構成員による刑法犯の摘発は復帰の1972年から今年3月末までの41年余に5808件、5719人に上る。沖縄に米軍基地がなかったら発生しなかった犯罪だ。基地が存在することでこれほどまでの事件が発生しているのだ。
 米軍構成員の刑法犯を全国と比較すると2011年の全国摘発は120件、121人で、県内は42件、51人だ。全体に占める県内摘発は件数が35%、人数が42・1%で、犯罪も沖縄に集中していることが分かる。日本の国土面積の0・6%に米軍専用施設の74%が集中する不平等に加え、県民が米軍関係者による犯罪にも過重にさらされていることは看過できない。
 日本で米軍基地を抱えるのは沖縄県を含む14都道県だ。基地を抱えていない県は基地被害にも米兵犯罪にも日常的にさらされることはない。劣悪な人権状況の放置は、法の下の平等に反すると指摘せざるを得ない。
 県議会米軍基地特別委員会はことし2月、米軍の再発防止策の実効性を確認するため、沖縄防衛局長と外務省沖縄大使を委員会に参考人招致することを決めた。しかし2人とも同じ文書を送付して出席を断っている。説明責任すら果たそうとしない姿勢は住民軽視も甚だしい。防衛局長と沖縄大使は参考人招致に応じて、防止策の実効性について説明するべきだ。日米関係を損ねることにしかならない自らの不作為を、両氏は自覚すべきだ。



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