敦賀原発 廃炉に向けた環境整備を

 原子力規制委員会の調査団は、日本原子力発電敦賀原発2号機の直下にある破砕帯を「活断層」と断定した。

 国は活断層上に原子炉建屋など重要施設の設置を認めていない。規制委は2号機の運転再開を認めない方針で、廃炉は確定的だ。
 今回の結論について団長役の島崎邦彦委員長代理は「規制委が(原発)推進側と切り離されたことが一番大きい」と指摘、原子力を推進する側の経済産業省の下にあった旧原子力安全・保安院との違いを強調した。
 規制委は旧保安院などの審査に関係したことがなく、かつ活断層を専門とする研究者を調査団に加えている。以前は地質学者が中心で活断層を過小評価しがちだったとの反省からだ。
 「事業者の意見を聞かず、規制委は独立性をはき違えている」などの批判に対し、調査団は原電の求めに応じて反論の場を再三設けた。調査団の見解を、ほかの有識者がチェックする「ピアレビュー(査読)会合」を実施した上での結論だ。原電は今回の結論を重く受け止めなければならない。
 旧保安院ですら、活断層の疑いを指摘していたことにも留意する必要があるだろう。
 原電側は「活断層ではない」と主張するのなら、調査団が納得できる新証拠を示すべきだ。原電が抵抗するのは、廃炉になれば原電だけでなく出資している大手電力の経営にも影響が及ぶからだとみられている。
 しかし今回の「活断層」評価は、安全対策を怠ったつけであり、電力事業者となれ合って監視体制が甘くなった国の責任でもあろう。「これまで何の事故もなかったのは幸いと思うしかない」(島崎氏)のである。
 ここまでは規制委が独立性を発揮したといえよう。だが7月から実施予定の新安全基準で、規制委が一部の安全対策に5年間の猶予期間を設ける基本方針を示している。地震も津波も猶予期間を待ってはくれない。原発再稼働に向け、規制を骨抜きにしてはならない。
 廃炉に向けた環境整備はこれからだ。電力各社は、原発の長期停止に伴う火力発電の燃料費増などを理由に料金値上げする。廃炉費用まで料金に転嫁するとなると利用者の理解を得られないだろう。国は速やかに廃炉に向けた仕組みをつくり、法整備に着手すべきだ。