きょう参院選 1票で未来切り開こう 政策と人物見極めたい

 4日公示された第23回参院選はきょう投開票される。何と言っても憲法改正の是非が最大の争点だ。経済政策の在り方も問われる。増税やTPP参加の是非、原発再稼働か脱原発か、震災復興の方向も占うことになろう。

 沖縄にとっては米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に影響を与えるだろう。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの追加配備の是非も問われる。
 各党の主張は入り乱れるが、未来を左右する大切な選挙だ。われわれ有権者は政策をしっかり見極め、人物も見定めた上で、貴重な1票を投じたい。

主張分かれる憲法

 改選1議席の沖縄選挙区には届け出順に幸福実現党新人で団体職員の金城竜郎氏(49)、無所属新人の新島メリー氏(67)、自民党新人で社会福祉法人理事長の安里政晃氏(45)=公明推薦=、社大党委員長で現職の糸数慶子氏(65)=生活、共産、社民、みどり推薦=の4人が立候補し、激しい選挙戦を繰り広げた。どの訴えが有権者に響いたのか。いよいよ審判が下る。
 憲法改正は各党で主張がくっきり分かれる。要件を緩和して憲法を改正しやすくする96条改正に自民、みんな、維新の3党は賛成だ。公明は慎重姿勢で含みを残し、民主は要件緩和先行に異を唱え、生活、共産、社民、みどりの風は改正反対を明言する。
 憲法は国の姿を根本で定める基本法規だ。安倍晋三首相は9条改正の意思も明言した。集団的自衛権、自衛隊の国防軍化の是非も含め、50年、100年を見通す超長期の視点で考え抜きたい。
 経済政策も争点だ。「アベノミクス」の金融緩和で円安・株高に至り、景気の「気」を引き上げる演出には成功した。半面、個人の所得増にはまだ遠く、パンやガソリンなど身の回りの品は値上がりしつつある。雇用をしやすくする半面、解雇が容易な「限定正社員」導入も焦点となりつつある。吟味が必要だ。
 選挙後の8月には社会保障改革の方向性が明らかになる。年金の支給開始年齢の引き上げ、介護保険の適用対象から軽度の介護を外すことなどが問われる。消費税増税も間違いなく焦点となろう。制度の持続可能性も絡むから問題は単純ではないが、生活に直結する大事な問題だ。各党の政策を慎重に点検したい。
 原発の再稼働の是非も選挙後直ちに浮上しよう。オスプレイの追加配備もそうだ。見えなくなっている争点をしっかり見定め、権利行使に生かしたい。

棄権で13万円余の損

 気になるのは投票率だ。前回2010年の参院選沖縄選挙区は投票率が52・4%と全国最低だった。過去の全県選挙と比べても補選を除けば最低だ。前々回、久しぶりに上昇に転じたが、長期的には下落傾向が続いている。何としても反転させたい。
 面白いデータがある。東北大大学院経済学研究科が1967年以降の国政選挙の年代別投票率を分析したところ、若年世代(20~49歳)の投票率が1ポイント低下すれば、当の若年世代が一人当たり年13万5千円も損をすると分かった。
 内訳はこうだ。将来世代にツケを回すことになる国債発行額は、投票率が1ポイント下がるごとに1人当たり7万5千円増える。もともと若年世代より高齢世代の方が高い社会保障給付額の差も、1ポイントごとに6万円広がる。
 政策が、投票してくれる世代に有利になる方向へ働くからだ。全国の20代の投票率は前回、前々回ともに30%台だ。いずれも70%を超えた60代、70代との差は大きい。若年者は、政治の場に不在であることによる損失を実感してほしい。
 政権交代後の民主党政権への期待が失望に転じたことによる政治離れが懸念されるが、政治離れで損失を被るのはわれわれ自身だ。自らの手で未来を切り開く意味でも、1票の価値を肝に銘じたい。