オスプレイ追加配備 この国は民主国家か 人道に反する危険強要

 米海兵隊は岩国基地(山口県岩国市)に一時搬入していた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機のうち2機を3日、宜野湾市の普天間飛行場に追加配備した。

 県民は、オスプレイの安全性や常駐配備に伴う騒音激化を強く懸念している。7月中旬の県民世論調査では8割超がオスプレイ配備に反対した。大半の県民が普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する中でオスプレイを強行配備し、危険との共存を強要するのは民主国家にあるまじき暴挙である。
 日米はオスプレイを米本国へ撤収させた上で、新たな普天間返還合意を模索するべきだ。

 現実離れの神話

 オスプレイは虚飾にまみれ、米軍の事故対応なども過小評価、情報隠しが際立ち信頼性が疑わしい。
 米海兵隊は、2009年に被害が甚大なクラスAの損害額の評価基準を「100万ドル以上」から「200万ドル以上」に引き上げた。
 この見直しで従来の評価基準なら3・98となるオスプレイの事故率が、1・93と低くなった。この作為を指摘すると、米側当局者は「事故が多いのは試作段階の話。今は安全だ」などと反論する。
 だが現実に事故は起きている。オスプレイは開発段階で30人が死亡し、昨年4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で墜落事故を起こし計9人が死傷した。海兵隊のオスプレイに限っても06年以降30件以上事故が起きた。日米の「安全宣言」は神話にすぎない。
 10年にアフガニスタンで起きた墜落事故に関しては、事故調査の責任者だった空軍准将(当時)が「機体に問題があった」との報告を作成したところ、空軍上層部の圧力で「人為ミス」に書き換えさせられたことが分かっている。
 09年まで17年間、米国防分析研究所の主任分析官としてオスプレイ開発に関わってきたレックス・リボロ氏は本紙の取材に対し、ヘリモードでエンジンが停止した場合に通常のヘリならオートローテーション機能(自動回転機能)で着陸できるが、オスプレイには同機能が欠如して「どこにでも墜落する」と証言。安全性に「深刻な穴がある」と指摘した。
 米本国と海外基地の運用で対応が異なる、アンフェアな実態もある。米ニューメキシコ州で予定された米空軍のオスプレイの低空飛行訓練は、住民の反対で延期され訓練内容が見直された。ハワイの二つの空港でのオスプレイの着陸訓練が、住民の反対で撤回されたこともある。命をめぐる「二重基準」など人道上許されない。

 国民への印象操作

 防衛省は先月30日、オスプレイをめぐり県が日米合意の運用ルールや安全確保策に違反すると指摘していた318件の飛行について、「合意違反の確証は得られていない」との検証結果を公表した。
 防衛省の担当者は「米側も日米合同委員会の合意に基づいて飛行していると繰り返し述べている。政府としてそれを否定するような立場にはない」と会見で説明した。
 防衛省のこの対応は、検証結果公表の狙いが県民への説明ではなく、国民への印象操作にあると自白しているに等しい。根拠もなく「安全」を触れ回り、国民をミスリードする国の手法は姑息(こそく)である。
 普天間飛行場へのオスプレイの配備理由として、日本政府関係者は「抑止力の向上」を重要視する。
 だが、オスプレイの安全性や採算性を疑問視する非営利組織「米政府監視プロジェクト」のベンジャミン・フリーマン博士は、「オスプレイは超音速の戦闘機ではなくただの輸送機。日本への攻撃や侵略を防ぐ能力はない。抑止力なら既に存在する空軍が担っている」と指摘。「オスプレイの沖縄配備は不要」と断言する。
 米議会有力者や安全保障専門家からも辺野古移設見直し論や海兵隊のオーストラリア移転、米本国撤退論が出ている。日米は民主主義を踏み外した安保政策から脱却すべきだ。オスプレイ、普天間飛行場を沖縄から撤去させるときだ。