しまくとぅば調査 危機感共有し復興を図れ

 愛着はあるが話せない。県文化振興課が初めて実施した「しまくとぅば県民意識調査」の結果からは、そんな県民像が浮かぶ。

 県民の8割前後がしまくとぅばに親近感を持ち、継承の必要性を感じている。しかし「主に使う」「共通語と同じくらい使う」人の割合は計35・4%で、「あまり使わない」「全く使わない」の計41%を下回った。
 「あいさつ程度」に使う人が22・6%と一定の割合を占めた。40代以下では使用頻度が低下する傾向が顕著であり、厳しい数字と受け止めるべきだろう。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が琉球諸語(しまくとぅば)を消滅の危機にある言語と認定したのは2009年。継承への取り組みは待ったなしの状況だ。
 家庭や地域、学校、職場などで連携を図りながら、しまくとぅばの魅力や話す楽しさを伝え、復興の機運を盛り上げていきたい。
 今回の調査の基になる県のしまくとぅば普及推進計画は「沖縄文化の基層である『しまくとぅば』が消滅すると、沖縄の組踊や琉球舞踊等も衰退するとともに、県民の郷土愛等も失われ、結果的に沖縄文化の衰退へと繋(つな)がるものと危惧される」と指摘している。
 この危機感は共有したい。しかし、県が普及推進行動計画で教育プログラムの導入については「学習指導要領上、検討を要する」として、慎重な姿勢を見せていることには疑問も残る。
 総合学習や特別活動などでしまくとぅばに触れ、学ぶ機会を設けるが、それだけで持続的な効果を上げることができるのか。
 独立した教科として導入するには教科書を作るのか、成績評価をするのかなど課題もあろう。しかし、しまくとぅばの復興を底辺から支えるためには教育現場の環境整備は不可欠だ。郷土愛を育む言語教育をためらうことはない。
 しまくとぅばを今後何世代にもわたり継承していくには、それぞれの地域で、口語だけで伝え残すのには限界がないか。表記などで一定の基準を作り、教え伝えることも考える必要があるのではないか。
 行政や教育現場の役割はその意味からも重要だ。県は今後10年間で「あいさつ程度」の人も含め話せる人の割合を30ポイント増の88%にまで引き上げる目標を掲げる。この島にしかない言語の価値をかみしめ、意欲的に取り組んでほしい。