2プラス2 オスプレイ撤収しかない


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 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障会議(2プラス2)は、米軍普天間飛行場に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練の県外・国外移転を増やすことで合意した。

 県外・国外へ訓練を移転しても県民が望む本質的な問題解決策とは言えない。オスプレイ全機撤収こそ唯一の解決策である。
 米軍はクラスAの重大事故が少ないことを根拠にオスプレイは「最も安全な航空機」と説明した。だが6月と8月にクラスAの事故が発生した。9月も緊急着陸、普天間飛行場で降着装置の異常があったばかりで「最も安全」であるはずがない。
 オスプレイの配備理由として、日本政府関係者は「抑止力の向上」を強調するが、同機は輸送機にすぎず、日本への攻撃を防ぐ能力はない。騒音をまき散らし安全を脅かす迷惑な存在でしかない。
 米軍は日米合同委員会の合意すら守らない。禁じられている午後10時を大幅に超える飛行が常態化している。沖縄に常駐している限り、根本解決にはならない。
 訓練移転の内容について具体的に明らかにしていない。日本国内で受け入れ先の調整が必要となる。移転先の反対も予想され、実現性は疑問だ。
 発表された2プラス2の共同文書は、普天間飛行場の辺野古移設について「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処」する「唯一の解決策」と記述している。「財政上」の理由は理解に苦しむ。県外・国外の既存施設への移設がはるかに安上がりだ。
 「政治上」の理由は、森本敏前防衛相が「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適」と発言したことを想起させる。
 日本の「政治上」の都合で県外に移設できないから、辺野古に移設すると日米が公式文書で認めたと受け止める以外にない。だとすればあからさまな沖縄差別だ。
 嘉手納基地配備の対潜哨戒機P3を、今年12月末から最新鋭の後継機P8に交換することも確認した。
 オスプレイ訓練の県外移設を持ち出して沖縄の負担を軽減するかのように装いながら、新型機配備で在沖基地強化を狙う。このような日米合意は断じて認められない。オスプレイの全機撤収と普天間飛行場の早期閉鎖・撤去、P8配備撤回を日米両政府に求める。
英文へ→[Editorial] U.S. and Japan should remove Osprey from Okinawa