核不使用声明 廃絶へ主導的役割果たせ

 核兵器保有国などを除く125カ国が、核兵器の非人道性とその不使用を訴える声明を国連総会第1委員会(軍縮)で発表した。同様の声明は過去3回あるが、今回日本が初めて賛同し参加した。

 日本は唯一の戦争被爆国でありながら、米国の「核の傘」に依存する安全保障政策との整合性が取れないとの理由で、声明への参加を拒んできた。
 あやふやだった姿勢に筋が通り、一歩前進できたことは評価したい。だが、その一歩でとどまることがあってはならない。
 声明にあるように、核兵器の使用は人類の生存や環境、社会・経済の発展などに壊滅的な結末をもたらす。被爆国として国際社会で主導的な役割を果たし、核廃絶の取り組みを強化する必要がある。
 核不使用関連の声明が初めて出されたのは昨年5月で、参加国は16カ国。その後2回の声明で参加国は急増し、今回の参加国は国連全加盟国の3分の2に迫る。
 日本はこれまで「核兵器の非合法化」と「いかなる状況下でも」核を使用しない旨の文言があることを理由に参加を見送った。今年4月の声明では「非合法化」が取れたにもかかわらず賛同せず、国内外から批判が高まっていた。
 今回は「いかなる状況下でも」は残ったが「非合法化」は取れ、一方で「核軍縮に向けた全てのアプローチと努力」を重視するとの表現が盛り込まれた。「核の傘」の下で段階的に核廃絶を目指す立場の日本の参加を促すために、文言調整が図られた結果だ。
 日本の国連外交筋は、核不使用声明に参加しても「安全保障政策は従来通りで変わらない」と強調している。しかし「核の傘」の下で米国の顔色ばかりをうかがっていては、日本は声明参加国の失望を招き、信頼を失うことだろう。
 広島と長崎への原爆投下から70年となる2015年には核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開催される。日本の核不使用声明参加は核保有国に対する“包囲網”強化につながるとの期待も高まっている。
 包囲網をさらに有効にするのが「核兵器の非合法化」だ。対人地雷やクラスター(集束)弾、化学兵器同様、核兵器を使えない兵器にしようという国際世論の動きに日本は真剣に向き合うべきだ。
 国際社会で求められている役割と責任を自覚し、政府は本腰を入れて核廃絶へ取り組んでほしい。



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