オスプレイ不備 飛ばすなら米本国だけで

 民間航空会社の旅客機であれば、運航停止は免れない。航空機の事故は一歩間違えば、多大な犠牲が生じる。あまりにずさんな安全管理の実態が浮かび、米軍が強調する「安全性」は信用できない。

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの整備記録をめぐり、調査対象200件のうち167件(83・5%)に記録ミスがあり、不適切な整備作業の指示が907回中、112回(12・3%)あった。
 米国防総省監査室が2008年10月から11年9月までの1年間、六つの飛行隊を対象に監査を実施し、明らかになった。同省は「任務遂行に十分な状態でないまま、機体を配備していた可能性がある」と断定している。飛んではいけない状態なのに、飛ばしていたという驚くべき指摘である。
 固定翼とヘリコプターの機能を併せ持つがゆえに、オスプレイは機体構造上の危険性が指摘され続け、現実に多くの事故が起きた。
 安全管理の根幹をなす整備記録にこれほど不備が多発するのは尋常ではない。日常的にオスプレイが頭上を飛び交う県民にとって、脅威そのものというほかない。
 飛行隊の運用担当者による機器状態の報告も4分の3が不完全、不正確だった。作戦遂行が可能な時間は、2010年に53%と低く、11年は63%、12年は68%という。ほぼ3分の1以上は整備中で飛べない状態にあることになる。
 国防総省は、ずさんな運航管理の実態を危惧し、海兵隊に改善を要求しているが、対応が生ぬるい。無期限の飛行停止が妥当な措置だろう。軍用機だから許されるということには決してならない。
 そもそも、試作段階以来、事故を繰り返し、30人以上が死亡しているオスプレイの飛行実態には虚飾と情報隠しが横行している。
 米海兵隊は09年に被害が甚大なクラスAの損害額の評価基準をひそかに「100万ドル以上」から「200万ドル以上」に引き上げた。オスプレイの事故率は3・98から1・93に下がったが、意図的な事故率偽装である。
 沖縄の全41首長や議会が一枚岩で普天間飛行場への配備に反対している。さらに安全性への疑念を増幅させる異常事態が後を絶たない。そんな危険な代物が沖縄の空を飛ぶことは断じて認められない。米軍がどうしても飛ばしたいなら、沖縄から撤収した後、本国の空だけにしてもらいたい。



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