インフルエンザ うつらずうつさず徹底を


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 県内でインフルエンザ患者が急増し、県は今季初めてのインフルエンザ警報を発した。

 沖縄でもここ数日寒い日が続き、体調を崩しやすくなっている。インフルエンザにかかった人が増え、病院も混み合っているようだ。
 県によると、13日から19日にかけての1定点医療機関当たりの患者数が36・74人に上り、警報基準値(30人)を超えた。前の週の1・8倍となり、患者数の増加は急である。
 前週の患者数で比較すると、2位の鹿児島県が9・28で、沖縄の流行の突出ぶりが分かる。
 今季の患者の増え方は、2008~09年の大流行時と似ている。抗体を持つ人が少ないウイルス型「AH1Pdm09」も検出されており、警戒を強めねばならない。
 風邪は喉の痛みや咳(せき)、頭痛などの一般的な症状が出るのが一般的で、発熱があっても高熱になる例は少ない。インフルエンザは38度以上の高い熱が特徴で、頭痛や節々の痛みなどの症状が強く出る。
 抵抗力の弱いお年寄りや子どもがインフルエンザに感染すると、肺炎を併発したり急性の脳障害を起こしたりして、重症化することもある。最悪の場合は命の危機に至る。学校や職場、人が集まる所で感染予防の手だてを尽くし、流行に歯止めをかけねばならない。
 うがいや手洗いを小まめにし、マスクを着用し、十分な睡眠で疲れを残さず、室内の十分な換気を心掛けてほしい。ワクチン接種も予防策として重要だ。まだ受けていない人は接種を受けてほしい。
 最近は「咳エチケット」が浸透してきた。咳やくしゃみをする場合は、ハンカチ、タオル、ティッシュなどで口を覆い、飛まつが飛び散らないようにすることが大事だ。ハンカチなどがない場合は、手のひらではなく、肘の内側で口を覆うとよい。
 うつらない、うつさないための対策を個々人でしっかり取ることが、最大の防御策となる。
 インフルエンザにかかると、登校や出勤が停止となり、仕事や受験に支障が出て、人生を左右することさえある。
 大学入試センター試験が終わったばかりだが、これから2次試験があり私立大を含めた受験シーズンが佳境を迎える。3月には県立高校入試がある。悔いなく試験を受けられるよう、受験生も保護者など周辺も、感染予防と万全な体調管理に気を付けてもらいたい。