5・15平和行進 「人ごとの論理」を断つとき

 沖縄の施政権が日本に返還された5月15日を記念し、米軍基地の過重負担の是正や平和実現への決意を新たにする「5・15平和行進」が18日の「平和とくらしを守る県民大会」で終了した。

 県外の参加者1300人は大雨に見舞われながら、米軍普天間飛行場周辺を歩き、県内参加者と「基地のない平和な島」を目指す思いを共有した。
 住民生活をかき乱す米軍機の爆音を肌で感じ、広大な米軍基地のフェンスに接して歩みを進めることで、沖縄に横たわる不条理を胸に刻み、この国のありようを考えたことだろう。本土の職場や家庭でも沖縄の実情を伝え、共感を広げてもらいたい。
 在韓米軍の新基地建設で揺れる韓国からはここ数年、参加が続いている。基地の島・OKINAWAで連帯を培うことは意義深い。国境を超えて、軍事に頼らない平和のうねりを広げてほしい。
 ことしの行進は、平和への願いとは逆のきな臭さが覆う中で実施され、大会でも危機感に満ちたあいさつが続いた。
 安倍晋三首相は復帰記念日の当日、集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲に向けた意思を鮮明にし、対米追従を強める日本は「戦争ができる国」に近づいた。4月には、与那国島で陸上自衛隊監視部隊の配備地整備が着手された。
 普天間飛行場の代替新基地建設をめぐり、仲井真弘多知事が昨年末、公約を覆して名護市辺野古の海域埋め立てを承認した。これを受けて、安倍政権は地元名護市の稲嶺進市長の再選や、世論調査で県民の7割超が反対し続ける民意を無視し、辺野古の豊かな海を埋め立てる作業を推し進めている。
 問われているのは、日本の民主主義の成熟度である。戦後68年たっても米軍専用基地の74%が国土の0・6%しかない沖縄に集中する。新基地建設など、これ以上の負担を拒む最低限の訴えにもこの国の為政者は耳を傾けようとしない。
 県外参加者は、労働組合の青年部などの若い人たちが目立った。彼らは、沖縄が米軍統治下に置かれた4月28日が「屈辱の日」と呼ばれていることを知り、沖縄戦体験者の話を聞くなど、基地重圧の源流である沖縄戦と戦後史を見詰め直したはずだ。
 参加者には、沖縄の不条理を見て見ぬふりをする「人ごとの論理」を断つ当事者として、さらなる連帯と能動的な行動を望みたい。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス